大原美術館とエルグレコ | 青空にTシャツ、片手にビール時々鉛筆

青空にTシャツ、片手にビール時々鉛筆

少し暇な時間が出来たので、何の脈略もない部屋になりそうですが、童心に返って絵日記風に始めてみます

 

大原美術館

 

大原美術館は

偉大な企業人とその友人である

傑出した画家との共通理念の結晶とし

大原美術館が誕生しました

 

 

大原孫三郎は倉敷紡績の企業を経営

また病院や研究所の公益性の高い

事業も推進しました

その孫三郎の経済的支援で渡欧した

洋画家の児島虎次郎は自己の研鑽と

西洋の優れた作品の収集を行いました

 

2度の渡欧ではクロード・モネ

アンリ・マティスなどから直接

優れた作品を購入しました

 

クロード・モネ《積みわら》《睡蓮》

「大原美術館名作選155」より抜粋

 

アンリ・マティス

《マティス嬢の肖像》

「大原美術館名作選155」より抜粋

 

 

西洋近代美術の歴史を跡付ける

代表作を数々日本にもたらしました

「大原美術館名作選155」より抜粋

 

その後、孫三郎の後を継いだ

大原總一郎は西洋美術を更に充実させ

更に日本の近代美術などを

積極的に取り入れました

 

河井寛次郎「三色釉扁壺」

「大原美術館名作選155」より

河井寛次郎は昭和初期

東京工業学校の学生の頃

長い時間かけ高い汽車賃を払い

大変な苦労をして

大原美術館に通ったそうです

 

大原美術館の長い歴史の中には

武者小路実篤、志賀直哉、小磯良平

名立たる作家もたくさん訪れましたが

美術館にすっかり魅了され

倉敷に移住し喫茶店等を開いた方も

たくさんおられたようです

 

 

大原美術館のお隣にある

「エル・グレコ」もそのひとつ

昭和34年開店

建物は元大原美術館の事務所

大正末期に建てられただけあって

大正ロマンの雰囲気が味わえます

「エル・グレコ」は大原美術館の

名画「受胎告知」の

作者エル・グレコの名から

大原總一郎により命名されたそうです

エル・グレコ《受胎告知》

 

ここを知るきっかけは

憧れの永六輔さんの紹介でした

 

エル・グレコと永さんが表紙の

「僕のいる絵葉書」

永さんが送ってくださったのです

👆これは永さんから頂いた宝物です

旅の時いつも持っていく一冊でした

 

もちろんエル・グレコの店内にも

この本は飾ってありました

永さんは若い頃、倉敷までの

往復の切符を握りしめ

大原美術館を鑑賞し

その余韻を楽しむように

エル・グレコでコーヒーを

味わられていたそうです

 

 

45年前のエル・グレコ
 

 

「47年前の想い出のラブレター」

 

日曜日なのに少し寒いせいか

街がひっそり閑としています

うら淋しい感じですが

それでもInoと頑張って歩きましたよ

エル・グレコも

アイビースクエアも行きましたよ

倉敷はやっぱり素敵です

ふたりで歩いたことを想い出します

Kazuとふたりの方が嬉しかったな

また来ようねきっと

そうそう今朝は見送りに来てくれて

お小遣いの心配までしてくれて

本当にありがとう

I’m missing you!

倉敷より愛をこめて

薄化粧 頬に色さす もみじ哉 Kei


今読んでも微笑んでしまいます

 

ラブレターを頂いてから半年後

彼女に振られることとなるのです

 

彼女が次に撰んだのは皮肉なことに

ともに永さんに憧れ旅を続けていた

大親友でした(笑)

彼女に失恋しただけでなく

大親友をも同時に失ったのでした

 

そんな彼女のラブレターを

今も後生大切にしているのは

少し問題なのかもしれませんが💦

 

ふたりを同時に失ったとき

何度も読み返した手紙は

親友の手紙ではなく

元カノのラブレターの方でした

 

幸せだったんだなと思えたから

別れは辛かったけれど

無駄な恋ではなかった

そう思わせてくれました

メールの時代ではなく

手紙でよかった(笑)

いつまでも懐かしい文字は

色褪せません

 

 

幸せなひとときが形として

残っているから

立ち直れたのだと思います

 

 

倉敷で過ごしたひととき

大原美術館に魅了され

琥珀色に癒されたひととき

いい思い出でしかありません

 

こころの中のエル・グレコ

幸せなひとときが

いつ訪れても変わらぬ懐かしさが

ここにもありました

 

 

やっぱりありがとうなんです

 

 

「エル・グレコ」店内に

45年前から飾られている石仏と

我が家の石仏の作者は同じ

富山の彫刻家岩城信嘉さんです

 

これも思い出のひと品なのです

 

左側がエル・グレコさんの石仏

右側は大きさは半分くらいですが

我が家の石仏です

同じ石仏は京都の五条の

河井寛次郎記念館の庭にもあります

河井寛次郎記念館もよく通いました

「いのちの窓」は言葉の宝庫

今も時々言葉に癒されます

 

そこで見つけた石仏がほしくって

富山の岩城さんを

一緒に訪ねたのも元親友でした

ふたりで緊張して

城端線に乗って旅をしたこと

懐かしく思い出します

 

彼も同じ石仏を持っているはずです

 

ふたりの友情の上に出来上がった

大原美術館を訪れ

改めて思い出されました

 

あの頃ふたりで色んなことに挑み

企画し会社を作ろうとしていた

 

ぼくらふたりでいれば

何かできたのだろうか、と

そんなことを考えながらの

懐かしい旅を終えました

 

まだまだ懐かしい場所は尽きない

色んな友たちと

色んなところを

旅したのだから

これからも「遠くへ行きたい」

そんな旅はまだまだ続きます

 

今回も短い旅でしたが

憧れの和田誠さん、永六輔さんに

触れられたいい旅でもありました

 

今日も長い間お付き合いくださり

ありがとうございました

 

 

本日4月28日は

30年という短くも

鮮烈な人生を生きた

画家の佐伯祐三の誕生日です

 

現在中之島美術館で

「佐伯祐三展」が開催されています

「佐伯祐三展」の話はまた次回に

 

今日も楽しく過ごしましょう