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歌うことが好きです。コロナ禍で一度はしぼみかけた合唱への熱が''22年〜むしろ強まっています。クラシック音楽を遅まきながら学び始める一方、嵐の曲はいまも大好きです。


聞き覚えのある声のトーンに
なんとなく振り返った


後方の席の声の主
顔下半分はマスクに覆われていた
けれど


目の雰囲気と顔の骨格
そして座っている佇まいで


君だと直感した


よく見れば
隣の話し相手も見知った顔
君の親友だった


だから もう間違いない
直感が確信に変わる


君は 昔と同じように
友だちと楽しげに喋っていた


その場所だけ
まるで時間が逆戻りしたかのように
あの頃のままだった


何年経つだろう?
20年?いや25年?


そんなにも長い年月会わなかったのに
いきなりおれの視界に現れた君の姿に
おれはひどく戸惑った


記憶の下層から
君と過ごした時間
思い出したいこと思い出したくないこと
一気に噴き上がってきて
もやもやする


そのもやもやの中に
おれだけが取り残されたようで
心細くなる


どうして君がここに?


嬉しい とは思っていない
かと言って嫌な感触でもない
ただただ 不思議


不思議に思うあまり
君から視線を外せないでいた
そしたら


君はおれに気づいた


マスク越しに所在なげに微笑んで
小さく会釈した


おれも反射的に首だけでお辞儀した
張り子の赤べこみたいに


次の瞬間には もう
席を立って君のところへ向かっていた


懐かしさ というよりは
これだけの時を経ても君が
おれを認識したことに力を得て


君は少し困ったようにおれを見てる
それでもおれを拒絶するふうではない
と 自らに都合よく思い込ませて


でも なんて声をかけたらいいんだろう


なんにも決めずに動き出したこと
今さらのように後悔して
ひと席ぶんの中途半端な距離をおいて
立ち止まってしまった


そんなおれに 君は
こんにちは
と 穏やかに言った

























以上実話…うっそーん笑
なんとなーく書いてみたくなった
「再会」の一場面です。
何の脈絡もなくこんなん書いてごめんなさいm(_ _)m


あとはご自由に想像してくださいませ
(無責任かよ)