膨大なデータが一元管理される昨今にあって、パスワード、ないしは、パスコードの設定を求められる機会は、人間の脳容量が増加するはずもない現実に比して、悲しくも増大するばかりですね。使いまわすのは良くないとわかっていながら、ついつい似たような暗証番号を使い回してしまうということも多くあると思います。

 

特に、僕のような数字に関する記憶力が必ずしも長けているとは言えないような人間にとってパスワードの管理は簡単なことはありません。日付を記憶したり、お金の勘定をしたりするのは意識さえしていれば間違えることは少ないですが、ふっと気を抜いたときに自分の中にある数字フィルターを、とんでもない誤算が通過してしまうことがあります (先日もミーティングの時間を1時間間違えました...!)。メモしてでさえこれなので話になりません。その点、パスワードを"メモする"ということは普通はなかなかしないこと(少なくとも電子媒体にパスワードをメモするのは危険というよりほかなく、せめて何かしら紙やノートに記録するくらいだろうとは思いますが、個人的には、いずれにせよパスワードの記録を取ることは滅多にありません)を踏まえると、あるときふとパスワードを忘れてしまい、その後、焦りも加わって何度もパスワードを入力し間違え、そして最後にはアカウントが凍結されてしまうという最悪のシナリオも容易に起こり得ます。

 

そしてその最悪のシナリオが早くも起こってしまいましたーーー中国は北京大学内の中国工商銀行で発行した银行卡のパスワードを忘れてしまったのです。

 

仕方なく、今朝、中国工商銀行北京大学支店に行ってきました。幸い、銀行内は全く混んでおらず到着から10分後にはアカウントの凍結を解除してもらえました。この辺りのスピード感は中国に来て、本当に助かると感じていることの一つです。

 

銀行についてからの会話は、渾身の力を振り絞って中国語で行いました (中国国内なので当たり前ではありますが!)。以前、去年の9月に同じ銀行に行って、銀行口座を開設したときにはまともな会話が全くできませんでしたが、今回は割となんとかなったように感じたので、その点でとても嬉しかったです。以下、交わされた会話の記録です。覚えているうちにできるだけ思い出して書きましたので、もし、「こういったほうがより自然です〜」や「ここは文法的に、もしくは、語法的に違います〜」といったコメントがあればお知らせいただけるととても嬉しいです!

 

以下、会話。

 

Kody「你好。我有一个问题关于我的银行卡。」

工作员A「嗯」

K「我打错了密码很多次,所以我现在不可以用我的卡。」

工作员A「好。你是从哪里来的?」

K「我是日本人。」

工作员A「你带护照吗?」

K「我带。」

工作员A「(よく覚えていませんが、番号札を渡され、ここに座って少し待っててね的なことを言われる)」

 

大概三分后,

 

工作员B「来」

K「你好」

工作员B「(ここで何かを早口で言われ全く分からず)」

K「(相手が言ったことを見よう見まねで鸚鵡返し)是什么意思?」

工作员B「(アクリル板越しだったこともあり、音量が小さくて聞き取れなかったと思ったのか、担当の方がマイクを使い始める)」

K「不好意思,请再说一遍?」

工作员B「(ここでもう一度、何かを早口で言われ全く分からず)」

工作员B「(相手も観念して、他の工作员を呼ぶ)」

工作员A「(そこで来てくださった工作员の方が、「この人はパスワードを間違ったのでアカウントが凍結されている」的なことを説明してくださる ※一言一句は聞き取れなかったものの、内容の大意は分かった気がした)」

工作员B「(確認しますので少々お待ちください的なことを言われる。その後、5分くらいかけて、提出したパスポート、在留許可証、银行卡について念入りな調査と撮影が行われ、どこかしらの外部にデータが転送される)」

工作员B「(その後、今からパスワードを入力してください的なことを言われる)」

K「那,现在我可以修改我的密码吗?」

工作员B「(そうじゃなくて、自分で正しいと思っている”你的原来的密码“を入力してほしい的なことを言われる。さらに、3回までしか"机会"はないので慎重にせよ的なことを言われる)」

K「好的,我需要打我觉得对的密码」

K「(一個目のパスワード候補を入力する)」

工作员B「(3分後、"不对"と言われる)」

K「明白了。我在我的脑里还有一个密码。」

工作员B「(もう一回、挑戦してみていいよ的なことを言われる)」

K「(二個目のパスワード候補を入力する)」

工作员B「(3分後、"对!"と言われる)

K「谢谢你!我很高心啊!」

工作员B「(言葉こそ発しはしないものの満面の笑み)」

K「(パスポートと银行卡を受け取り、荷物をまとめた後、)谢谢,再见!」