今回の記事は、中国語学習を0から始めて今日に至るまでの雑感をまとめたものです!北京大学での英語開講授業に関する雑感はこちらの記事にまとめています。興味のある方は以下のリンクからご覧ください。

 

 

今回はあくまでも中国語学習と中国語授業に関する雑感です。正直に言えば、そもそも中国語学習開始時期の正確な記録がありません。なおかつ、どれくらい真面目に中国語学習をしていればそれを勉強とみなすのかも不明瞭なため、半ばこの記事のタイトルには自分でも懐疑的な節はあります。ひとまず、少しでも中国語運用能力向上に寄与している限りそれを中国語学習とみなした上で、思いつく限り、時系列に沿ってそのときどきの心境を書き記しておこうと思います。

 

     結論を先取りしておくと、この約半年間の勉強で認識語彙数が800語前後まで増え、HSK3級であれば試験対策をすれば受かりそうという水準にまでは到達できました。実生活の運用レベルとしては、決まりきった会話やごくごく簡単にこちらの意思を伝えることはギリギリできます。ですが、それ以外の状況での会話となると、相手がかなり配慮して辛抱強く聞いてくれたり、こちらが聞き返しても言い直してくれたりしない限りはコミュニケーションを成り立たせるのは難しいと感じます。

 

     ということで、以下、本題の学習歴です。つらつらと続きますので、興味のある方のみ興味のある部分について読んでいただければと思います。

 

     中国語学習を始めようと思い立ったのはちょうど今から一年前の2023年2月上旬あたりでした。そのとき、友人ら数人とたまたま横浜中華街に行くことになったために、中国語の勉強もそろそろ始めないとなあという感慨を抱いたことを覚えています。もちろん、この時点で既に北京に留学することは決まっていました。そのため、本来であればいち早く中国語学習を始めるべきではあったのですが、結局ほとんど勉強時間を取らないまま時間が流れていきました。

 

     その後、特に何か転機があったわけではないのですが、5月ごろから中国語学習をもう少し真面目に開始しました。文字通り、中国語に関する予備知識は0でしたが、「文法と単語が分かれば理論上、すべての中文は読めるはず」という根拠なき信念のもと勉強を進めました。北京渡航の9月までの間にやった勉強としては以下のとおりです。

 

①1年前からこの時まで毎朝続けてきたDuolingoのフランス語コースをこのタイミングで中国語コースに変えました

→毎日楽しく続けられるのでいいですね。文法を徹底して教えてもらえるわけではなく、単語やフレーズを繰り返し学習に覚えていくという形式で、かつ、ゲーミフィケーション満載のコースでした。その点では、フランス語コースと全く差はないです。ただし、惰性で英中/中英コースにしてしまったのですが、日中/中日コースにしておいたほうがよかった気はします。日本語の単語やものの考え方は中国語のそれらと似ている部分も多いように感じるため、英語と比較しながら中国語を勉強するよりも、日本語と比較しながら英語を勉強したほうが学習効率が良かったのではないかと思います。

 

②基礎的な中国語文法についてひととおり触れることにしました

→中国語の文法はそこまで厳しいものではないということはなんとなく聞いていましたが、ひとまず、Kindle Unlimitedの3ヶ月で99円体験セールが切れるまでの間に、アクセス可能な中文法書を読んでみることにしました。本当に初心者用のもので、1日5分ずつ読めば2週間で読破できるというような雰囲気のある文法書を複数冊読みました。結果的に、ごく簡単な文法学習経験でこそあったものの、それでも中国語文法知識の基盤を作る上でとても役に立ったと感じています。

 

③中国語でよく使用される単語について覚えることにしました

→具体的には、アスク出版の新HSK単語トレーニングブック(HSK1-4級受験準備用の参考書)とKindle版で買った2000 Most Common Chinese Words in Context: Get Fluent & Increase Your Vocabulary with 2000 Chinese Phrasesの二つを使った勉強をすることにしました。新HSK単語トレーニングブックについてはテーマ・品詞ごとに単語がまとめられており、例文もついています。例文の表現から学ぶところもかなり多かったです。Most Common Chinese Words in Contextについても同様に例文付きで中国語単語とその意味が羅列されておりコンパクトに知識を習得することができると思います。日本語での対訳確認やHSK試験対策では前者を、英語での対訳確認や日常生活での運用準備としては後者を使うと良いのではないかと感じました (なお、どちらの本についても全く読了していません。仮に読了していれば、今頃、少なく見積もっても認識語彙は2,000語はあるはず...!)。

 

そして、この程度の緩い見積もりに基づいた勉強をどんなに都合よく見積もったとしても1日1時間程度しかしていない状態で北京に渡航する日を迎えることになりました。ざっくりとHSKの過去問を見てみたところ、この時点では2級であれば対策すれば受かりそうというくらいのレベル感でした。手薄い中国語知識とハートだけで正面突破を目指す日々がここから始まっていきます。

 

     2023年9月北京渡航時点で感じた中国語運用能力としては、率直に使い物にならないものだと感じました。基本的に相手の言っていることは全く聞き取れず、こちらからの発話としてもごくごく短く、せいぜい3単語くらいを発することができるかどうかくらいだったと思います。加えて、中国語の発音についての学習をしていなかったため、その意味でも意思の疎通の難しさを感じました。

 

     その状態からの中国語学習としては、主に北京大学での中国語の授業に参加することがメインでした。1週間に4回ほど、1回80分の授業でした。中国語を学ぶための授業が中国語で開講されているため、なかなかに厳しかったです。不思議なもので、3ヶ月くらいするとなんとなく聞き取って理解できる中国語の範囲が増えました。ですが、それでも100%理解できるわけでは決してないです。以下、より詳しい授業内容です。

 

①ビジネス中国語B

月曜・木曜開講。タイトルのとおり、この授業の最終的なゴールは商世界で中国語を運用できるようになることだと理解しています。ですが、実際にはそうした実践的なトレーニングに耐えられるだけの学生であればそもそも中国語の授業を取る必要はないと思います。そのため、結果的には中国語学習用の教科書を使って中文の精読や重要な表現を使った会話練習をする感じでした。なお、授業タイトルの最後についているBが意味するのは、授業レベルです。Aが一番水準が高く、Bが既習者向け、Cが初学者向けということです。ただし、Aを受講するにはBの履修が必須のため、Bが事実上の最上位クラスということになります。その結果、上はギリギリ中国語クラス受講免除認定が降りなかったベテラン中国語学習者や家では中国語を聞いたり話したりしているという中華系の第二言語中国語話者、下は筆者のような付け焼き刃の勉強で滑り込んだもののほとんど何も聞いて理解できない学習途上者といった要領でかなり中国語運用能力の差が激しいクラス編成でした。

 

②HSK3級受験準備

火曜・金曜開講。こちらもシンプルで、HSK3級を受験して合格することを目指す学生が受講することが想定された授業でした。授業内容としては、基礎的な単語学習と構文学習がメインで、それらを確実に押さえるために近くの学生同士で実際に会話をしたりもしてみるというような授業展開でした。先ほど触れたビジネス中国語Bの授業では有耶無耶にしてしまっていたような文法事項について、この授業をとおして整理することができたように感じています。受講者層としては、学習歴1-3年くらいの学生が多く、ビジネス中国語Bと比較すると非アジア系の学生も多く受講しているように感じました。一方、やはりビジネス中国語Bよろしく、どうしてこの授業を履修しているのかが分からないくらい抜群に中国語ができる学生も一定数いました。色々と教えてもらえて助かりました。

 

これら授業が2023年12月中旬ごろに終講しました。全13週の授業で最後には筆記試験もありました。会話試験が課されなかったため、比較的得意な読解と作文パートで得点を確保できたように思います。一時は真剣に落単するのではないかとさえ思っていましたが、蓋を開けてみればかなり余裕を持って単位取得できました。

 

    この時点で、中国語学習開始からだいたい半年が経っていました。レベル感としては、なんとか生活は切り抜けられるくらいにはなったと思います。例えば、実際の経験をもとにいくらか記述すると、「辞書を使って時間をかければ中国語の文章が読める」「事前に準備を念入りにすれば中国語で5分程度のプレゼンテーションができる」「オートロックで締め出された旨を中国人職員に伝える」「ジェスチャーを交えながら中国語で大まかな道案内をする」といったことはできるようになりました。聴き取りについても、例えば飛行機で今日の機内食に何があるのか分かった気になったり、学食で隣に座っている中国人の会話内容が35%くらい理解できた気になるくらいにはなりました。

 

    一方、容赦ない中国語や不意打ちの中国語を聞き取ることはまだまだかなり難しいです。こちらが中国語を話す場合でも限られた語彙と構文しか使用できないため、必然的に言える範囲がとても狭いです。発音については中国語環境に晒されたためにかなり改善しました。具体的には、9月にオンライン中国語レッスンをお試しで受けた時には発音(と四声)がめちゃくちゃすぎてほとんど何も通じなかったです。ですが、12月にまた別のオンライン中国語レッスンをお試しで受けた時には、習ったことがある単語や表現であれば相手に聞き取ってもらえました (チャットに文字起こしをしてくださるので、こちらの言ったことが伝わっていない場合にはすぐに分かります)。いただいたフィードバックコメントには、「日常单词积累很多,表达也不错呢」「当然正如你说的才学半年而已,留学生活还有两年,未来路更长,所以,相信你的努力,慢慢汉语会非常好的」と書いていただきました。もちろん、ユーザーの学習意欲が削がれないようにするために、なんとか少しでもできているところを見つけ出して、かなり前向きにコメントを書いてくれているのは事実ではあるのですが、半年前の状況を思うと素直に嬉しかった部分もあります。

 

     その後は、そのほかの授業や期末試験、最終プレゼン・最終レポートに追われてしまい中国語を自学する時間は取れなかったです。ほんの情けと気晴らしのために间谍过家家 (中国語版スパイファミリーです)を見たりはしましたが、それ以外は勉強できていません。そのまま2024年2月に突入してしまいました。中旬にはまた授業が始まるので次の半年でもっと中国語学習を進めていきたいところです。暫定的な目標としては、春学期の授業が終講する6月中旬までにはHSK4級に合格できるくらいの中国語運用能力を身につけていたいところです。