今から書く話は、私が高校を卒業した直後、
つまり高校3年生の3月ごろのことですので、
今からもう40年近く前の話になります。
高校3年生の3月と言えば、
同級生の大学入試の結果が
だいたい出そろう時期になるわけですが、
誰もが驚くような知らせがありました。
意外な人物が東京大学に合格していたのです。
「あいつってそんなに成績、良かったっけ?」
というのが多くの人の感想でした。
私などは、そもそもその同級生の名前すら
知らなかったのです。
当時は模試などのたびに
成績上位者が廊下に掲示されるのが普通でした。
ですから、上位30位以内ぐらいに入っている人であれば、
名前も知らないということはあり得なかったのです。
ですから、少なくとも学校の定期試験や
模試の成績を基準に考えるのであれば、
とても東京大学に現役で合格できる成績では
なかったはずです。
後で聞いたのですが、その同級生は、
高校に入学したときから東京大学に入ることだけを意識して
高校生活を送っていたのでそうです。
そのやり方は徹底していて、
次のようなものだったのだそうです。
①部活動には入らない。
②実行委員や生徒会の役員などは一切引き受けない。
③文化祭などの行事には極力かかわらない。
④学校の授業や定期テスト、模試などは一切無視する。
①から③は、とにかく勉強時間を確保するためでしょう。
部活動や実行委員等の活動はかなりの時間が割かれます。
また、文化祭で中心的なメンバーになれば、
それもまたかなりの時間が取られることになりますから、
それを嫌がったということだと思います。
④については、私が通っていたのは山形東高校という高校で、
一応山形県内では最難関の高校ということになってはいましたが、
東京大学に進学するのは数名からせいぜい十数名というところです。
よって普段の授業や課題なども、
東京大学に合格させるためのものにはなっていません。
それで無視したということだと思います。
まあ私とは完全に逆ですね。
私は部活動も一生懸命やっていましたし、
生徒会の役員も引き受けていました。
文化祭で実行委員もやっていましたし、
ステージに出たり、
クラスの模擬店でそれなりに活躍したりもしていました。
学校の定期テストや模試も
人並みには意識していたと思います。
それで楽しい高校生活を送れたと思っていますので、
今高校時代に戻れたとしても、
その東京大学に合格した同級生のやり方を
真似しようとは思いません。
ただ、一般的に考えた場合はどうなのでしょうか。
彼のように高校の授業や試験を無視して大学合格を目指すやり方は、
アリなのでしょうか?
次回に続く