校訓に、「文武両道」を
掲げる高校はたくさんあります。
私が通った山形東高校もそうでした。
「文武両道」でイメージするのは、
スポーツでは全国大会に進み、
勉強でも第一志望の難関大学に
現役合格するような人でしょう。
確かにそういう人になれるのであれば
素晴らしいと思います。
ただ、現代において
それを実践できるかというと、
相当難しいでしょう。
今と昔では環境が違うからです。
ウィキペディアで、
全国高等学校野球選手権大会の
宮城県の代表校を見ると、
最初のころは仙台一中(今の仙台一高)や
仙台二中(今の仙台二高)などの名前が
挙がっています。
ところが1950年代の後半以降は、
仙台育英や東北高校などの
私立高校勢がほとんどになります。
稀に公立高校が代表になることもありますが、
2年連続で公立高校が
代表になったことは一度もありません。
昔は私立高校が
スポーツ推薦で優秀な選手を
集めたりすることもありませんでした。
それにそもそも高校(あるいは旧制中学)の数が
今よりもずっと少なかったので、
今で言う「進学校」が、
全国大会に出場することも珍しくなかったのです。
ところが今はどうでしょうか。
野球やサッカーなどメジャーな競技は、
私立高校の独壇場です。
普通の公立高校が全国大会に進もうとしたら、
全てを犠牲にするぐらいの
覚悟がないと難しいでしょう。
要は一般の人がイメージする「文武両道」は、
今の時代にそぐわなくなっているのでは
ないかと思うのです。
では、現代に合った「文武両道」とは、
どんなものなのでしょうか。
次回に続く