中学3年生が志望校を決めるときは、

 

みやぎ模試などの難易度表を見て、

 

それを参考にするのが普通です。

 

 

ただ難易度表が、

 

現状を正確に表しているとは限りません。

 

様々な事情も大きく影響しているからです。

 

 

具体例を挙げてみましょう。

 

宮城県で最難関の高校といえば

 

仙台二高ですが、何らかの理由で

 

その仙台二高の難易度が、

 

仙台一高や仙台三高よりも

 

低くなってしまったとします。

 

そのとき、みやぎ模試の基準偏差値は

 

どうなるでしょうか。

 

 

おそらくそうなった場合でも、

 

基準偏差値トップの座は

 

揺るがないでしょう。

 

1年後、2年後はもちろん、

 

4~5年経ったとしても

 

変わらない可能性が高いと思います。

 

さすがに10年続けば

 

そのうち変わるとは思いますが。

 

 

基準偏差値を決める際に最も重要になるのは、

 

合格者や不合格者のデータです。

 

ただそれだけではなく、

 

「その高校の難易度の一般的なイメージ」

 

も重要になるのです。

 

 

「仙台二高が県内最難関の高校である」

 

というのはもう周知の事実ですから、

 

それを無視して基準偏差値を決めるわけには

 

いかないのです。

 

 

実際仙台三高などは同じような理由で、

 

長い間少し低めの基準偏差値になっていました。

 

 

以前は、「北学区のトップは仙台二高と

 

 宮城一女(現宮城一高)」

 

というのが県民の共通認識でした。

 

「仙台三高はその少し下」だったのです。

 

 

ところが、共学化と学区撤廃をきっかけにして、

 

仙台三高は急に難化し始めました。

 

さすがに仙台二高には届きませんでしたが、

 

宮城一高よりは明らかに難しくなったのです。

 

 

ただ、そうなってもみやぎ模試の基準偏差値は、

 

「宮城一高の少し下かほぼ同じぐらい」

 

という状態が長く続きました。

 

これなども、世間の一般的なイメージが

 

大きく影響した例だと思います。

 

 

私立高校の基準偏差値にも、

 

同じようなことが言えますね。

 

県内の多くの私立高校は、

 

少子化の影響を受けてここ二・三十年で、

 

難易度を大幅に下げました。

 

 

東北学院などは特にそうです。

 

以前は、「仙台二高や仙台一高のすべり止め」

 

というイメージの高校でしたが、

 

ここ数年は志願者が激減して

 

相当入りやすくなっていました。

 

多賀城高校や利府高校を受験する子でも

 

普通に合格していましたので、

 

偏差値50未満でも

 

十分勝負になる高校だったと思います。

 

 

ただ、「東北学院」といえば

 

私立高校ではブランドでしたので、

 

さすがに基準偏差値を

 

50未満にするわけにはいきません。

 

それでかなり合格ラインが下がった時期でも、

 

基準偏差値は50台の中盤ぐらいに

 

なっていました。

 

 

もっとも、東北学院は共学化をきっかけにして

 

昨年大幅に難化しましたので、

 

今はさすがに偏差値50未満では

 

難しいとは思います。

 

 

こんな風に模試の基準偏差値は、

 

意外とあてにならない面もあります。

 

ですから志望校を決める際は

 

基準偏差値を妄信せず、

 

塾の先生の話もしっかりと聞いたうえで、

 

決めたほうが良いと思います。