こんな記事がありました。


千葉大学に飛び級で入学し、


大学院まで出た人の記事です。



飛び級については今回触れません。


それよりも気になったのは、


理系の研究者の待遇の悪さです。



このブログでも何度も書いていますが、


日本は圧倒的な「文系上位」の国です。



理系は大学入試の負担が大きいし、


大学に入ってからも、


一般的に文系よりも忙しくなります。


さらに大学を出ただけでは、


研究者としては通用しないので、


最低でも修士までは進む必要があります。



2年間学費を払って大学院に通っても、


それに見合うだけの


見返りがあればいいのですが、


実はその後就職しても、


学卒3年目、つまり大学院に進まずに


就職した同級生と、


給与は変わらなかったりします。



「でも生涯年収で見れば、


 大学院卒のほうが


 多くなるはずだ」


という意見もありますが、


実はこの手の統計データには


カラクリがあります。


大学院卒は一般的に


有名大学出身者が多いのです。



それに対して四年生大学卒の人は


千差万別なので、


平均すると生涯年収は下がってしまいます。


同じ大学で院卒と学卒の


生涯年収を比べたら、


結果は異なってくるはずです。



まあそれでも、民間企業に


進んだ人はまだマシです。


大学の残ることを選択した人は


もっと悲惨な状況が待っています。



今の大学にはそもそも


ポストの空きがありません。


なんとか見つけたとしても、


今は任期付きのポストが多くなっているので、


要は契約社員のようなものです。



奇跡的に助手になれて、


教授まで出世したとしても、


年収は大企業の中間管理職レベル。


こんな状態では、


誰も大学に残ろうとはしないでしょう。



こういう状態なのに、日本政府は、


「大学院進学者が少なすぎること」を


問題視しています。


だったら研究者の待遇を


良くする必要があると思うのですが。