公立高校の学区がなくなり、

 

一律に共学化されてからしばらく経った時期は、

 

仙台一高の人気がかなり高くなりました。

 

「合格最低ラインだけでいえば仙台二高と変わらない」

 

という印象すらあったのです。

 

 

実際、平成26年度の新みやぎ模試のデータを見ると、

 

合格者の平均偏差値は

 

仙台二高の68.7に対して仙台一高は67.2。

 

わずか1.5しか違わなかったのです。

 

 

偏差値70以上の上位層の割合は、

 

仙台二高の33.8%に対して、

 

仙台一高は14.6%と半分以下ですから、

 

違うのは成績上位層だけで、

 

中下位層はほとんど同じレベルだったと

 

言って良いでしょう。

 

 

ところが、

 

「合格最低ラインだけでいえば仙台二高と変わらない」

 

ということになると、

 

「だったら仙台二高を目指したほうがいい」

 

と考える子も出てきます。

 

また、あきらめて第二志望に変更する子もいるでしょう。

 

それで仙台一高人気も少し落ち着き、

 

令和3年度の入試で見ると、

 

仙台二高と仙台一高の合格者平均偏差値の差は

 

2.7まで拡大しています。

 

仙台一高は、

 

「人気があったがゆえに、最終的に人気が落ちた」わけです。

 

 

これと似た状態にあるのが仙台三高です。

 

仙台三高は2年前に、受験倍率2.25倍という

 

公立高校普通科ではありえない高倍率になりました。

 

 

ただ、その反動で

 

最近は比較的低めの倍率に

 

なることが多くなっています。

 

 

昨年度も普通科は1.29倍でした。

 

こちらも仙台一高と同様、

 

人気が上がりすぎて難易度も上がり、

 

それで敬遠されるようになっているのでしょう。

 

 

ただし注意すべき点があります。

 

倍率は確かに下がっていますが、

 

普通科の合格者の平均偏差値は、

 

2年前が63.8、今春が63.7と

 

ほとんど変わっていないのです。

 

さすがに合格最低ラインは

 

少し下がっているはずですから、

 

中上位層は

 

むしろ上がっている可能性すらあります。

 

 

ですから、志願者が減ったとはいっても、

 

それはもともと合格圏外の子や、

 

ボーダーラインすれすれの子が

 

他の高校に流れただけだと考えたほうが良いでしょう。

 

倍率が下がったとはいっても、

 

難易度はそれほど変わりませんのでご注意を。