定期試験で、どの教科も60点前後の
中学生の子がいたとします。
まあだいたい平均的な生徒ですね。
ところがその子以外のご家族の方みなさんの
成績が優秀だったご家庭だと、
お父様やお母様が、
こんな感じで声をかけてしまうことが多いのです。
「試験前にしっかり勉強すれば、
90点ぐらいは取れるでしょ。
それなのに取れないっていうことは、
ちゃんと勉強していないんじゃないの?」
おっしゃっていることは間違いではありません。
実際、お父様やお母様は取れたのでしょう。
ただ、その辺はかなり個人差があります。
60点の子にいきなり、
「90点取るのが当たり前」
と言っても、心には響きません。
また、その子ががんばって、
定期試験で1教科平均70点の点数を取ってきたとします。
そのときに、こんな声をかけてしまうこともよくあります。
「前よりはだいぶましになったけど、
70点じゃあ全然自慢できる点数じゃないんだから、
次はもっと頑張んなきゃだめよ」
せっかくがんばって点数を上げたのに、
むしろ叱られたような感じになってしまいました。
成績を上げて褒めてもらえないのでは、
モチベーションが下がってしまいます。
このブログを読まれている保護者の方の大半は、
「私はそんな対応はしていない」
と思われるのではないでしょうか。
ただ私の経験上、
全体の半数以上の保護者の方は、
「現在の子供の成績」ではなく、
「自分の考える理想の成績」を頭にイメージして、
子供に接していることが多いように思います。
それは必ずしも悪いことではありません。
親が子供に期待するのは当たり前ですから。
逆に子供に全く期待していない親がいるとしたら、
そちらのほうが問題でしょう。
ただ、親の期待が過剰になってしまうのは、
やはり問題があります。
「今より少しでもいいから成績が上がればよい」
ぐらいの期待が、ちょうどよいのではないかと思います。