以前もこのブログで1度
書いたことがある話かもしれません。
私は20年ぐらい前に、
テレビで公立高校入試問題の
数学の解説授業をしたことがあります。
一応最初に言っておきますが、
県内のたくさんの先生方の中から
能力を見込まれて選ばれたという
ニュアンスではありません。
私が以前勤めていた塾が
番組のスポンサーになったんですね。
それで私に白羽の矢が立ったというわけです。
そんなわけで解説授業をすることになったのですが、
なかなか貴重な体験をさせていただきました。
まず驚いたのは、
「意外と前撮りが多い」という点です。
考えてみたら当たり前なんですね。
解説授業は入試当日で、
とにかく時間がありませんから。
今はインターネット上に問題が公開されますが、
当時は問題が公表されたら、
そのコピーをバイク便で届けるという仕組みでしたし。
最初の講師紹介とか簡単なあいさつなどは、
すべて前撮りでした。
ですから最初のあいさつでは
試験の難易度や傾向などには触れることができず、
当たりさわりのない話ばかりしていました。
それからそのときの番組は、
背景がCGになっていました。
そういうときは青いシートで覆われたボードの前で
撮影するんですね。
そして後でその青い部分を別の背景に変えるわけです。
詳しい仕組みは分かりませんが。
ただ、着ている服が青色だと、
そこも背景と一緒になってしまうようなのです。
ですから、スーツやネクタイも含めて、
「青い色のものは身に着けないように」
という厳命がありました。
また、ちょっと閉口したのは、
「男性であってもドーランでメイクしなければいけない」
という点でした。
別に俳優じゃあるまいし、
そんなものは必要ないと思ったのですが、
撮影のライトが当たると顔が光ってしまうのだそうです。
ですから、出演する人は有無を言わせず
メイクさせられました。
解説授業自体はもう
全然大したことはありませんでした。
なにしろ解説授業にかけられる時間は
1教科7分ぐらいだったのです。
解答を読み上げて、
ところどころでちょっとしたコメントを
入れるぐらいしかできませんでした。
実は私が担当したのは
その塾が番組のスポンサーになってから
第1回目のときでした。
一応そのときは絶対に失敗できないということで、
各教科安心して任せられる人が選ばれたのです。
ただ、1回番組をやってみると、
解説授業自体は誰でもできることがわかりました。
そんなわけで番組終了後は、
「だったら若くてイケメンの講師のほうがいいんじゃないの?」
ということになりました。
そして2回目以降は、
私が選ばれることは一度もありませんでした。
当時の私はまだ30歳ぐらいで、
今よりずっと若かったんですけどね。
別に解説授業で失敗したわけでもありませんし。
うろ覚えですが、
前回書いたときも同じオチだったような気がします。
失礼いたしました。