今春から公立高校の入試制度が変わります。
おおざっぱに言うと、前期・後期の二段階選抜から、
第一次募集に一本化されましたので、
倍率は下がるのが普通です。
例えば、定員100名の高校・学科で、
前期選抜、後期選抜の定員割合が
それぞれ50%の高校・学科があるとします。
仮に出願希望者が150名いるとした場合、
前期選抜で全定員の50%、
つまり50名の合格者が決まってしまうわけですから、
後期選抜の定員、出願者は50名ずつ減ります。
そうすると後期選抜の定員、出願者は、
単純計算でそれぞれ50名、100名になります。
倍率は2.00倍となるわけです。
ところが、前期選抜と後期選抜が一本化されると、
定員は100名、出願者は150名ですから、
倍率は1.50倍になります。
つまり、高校・学科の人気が変わらなかったとしても、
入試が一本化されると倍率は下がるのが当然なのです。
そんなことを書いたのは、
この記事を見たからです。
県教委は、倍率が下がった理由を、
「入試の一本化により、特定の学校に
受験生が集中しなかったため」
と分析しているようですが、
私の見立てはまるで違います。
1つ目の理由は「入試制度が変わったから」ですし、
2つ目の理由は「私立高校に生徒が流れたから」、
そして3つ目の理由は「少子化が進んだから」です。
県教委のコメントは、
全てを自分の手柄にしようとしているようなものが多いのです。
以前、前期・後期選抜が始まり、
仙台一高などの前期選抜の倍率が高くなったときも、
「入試制度が変わって、
生徒が前向きに高校を選択しようとしているから」
というようなコメントを出していました。
当時は前期選抜の倍率が想定よりも高くなったことにより、
大量の不合格者が発生して、
問題視されていたのです。
ところが、その問題点すら
自分たちが作った入試制度の素晴らしさを
証明するための根拠にしてしまいました。
今回のコメントにも、
それと同じ匂いを感じますね。