こんな記事がありました。

京大が全国から学生が

集まるようになっているのに対し、

東大は逆に関東ローカル化しているという

内容の記事です。


記事内では、京大の全国区化は、

「研究の京大」のイメージが強まって、

人気が出てきているから、

と結論づけていますが、

私の認識はだいぶ違います。


私が学生のころは、今以上に

「研究の京大」のイメージがありました。

湯川秀樹、朝永振一郎、福井謙一、利根川進と、

次々にノーベル賞受賞者を輩出し、

その数は東大を上回っていたのです。


特にノーベル賞受賞者を多数輩出した理学部は

東大とほぼ同格のイメージで、

研究者を目指すならば京大のほうが

良いというイメージすらありました。

実際難易度も、東大とそれほど変わりませんでした。


ところが、今はだいぶ異なります。

センター得点率が90%台の東大理1、理2に対し、

京大理学部は87%と

難易度に明らかな違いがあります。

個別試験の偏差値も、東大理1、2の67.5に対して、

京大理学部は65.0です。


それなのに世間の京大に対する認識は、

「東大に匹敵する大学」

なのではないでしょうか?

つまり京大は、現状よりも評価の高い

「おトクな大学」なのです。


京大の文系学部などは、

もう一橋大と変わらないレベルになっています。

「だったら京大にしよう」

という生徒が増えたのが、

京大人気の真相だと思います。


人気が落ちてレベルが下がり、

レベルが下がったことによって、

逆に人気が出たとも言えます。


東大のローカル化も、

「人気が落ちた」ことが理由です。


今、地方の優秀な生徒は、

東大ではなく、国公立大の医学部を

目指すようになっています。

平均年収の低い地方では、

医者の年収は突出していますから、

それもうなすけます。

地方での人気が落ちれば、

関東地方出身者の割合が増えるのは、

当然でしょう。


不人気になったのはどちらとも同じなのに、

京大は全国区化し、

逆に東大はローカル化したわけです。

なんとも不思議なことではあります。