私は、「国立大学は合併して総合大学化するべきだ」と考えています。
例えば宮城教育大学。
教育系の単科大学ですが、
東北大学と合併すれば、
理科の先生を目指す人が理学部の講義を受けたり、
国語の先生を目指す人が文学部の講義を受けたり
することができます。
教職系の講義が増えれば、
東北大学の学生にとってもメリットがあるでしょう。
国立大学は、地元中心に
幅広く学生を受け入れられる体制を
作るべきだと思いますから、
学部についても、総合大学として
オーソドックスなラインナップを
ひと通りそろえるのが望ましいと思います。
それに対して、公立大学はちょっと違います。
岩手県立大学の看護学部のように、
地元の国立大学にない学部を設置するところが多いので、
あまり規模を大きくする必然性がありません。
また国際教養大学の国際教養学部のように、
独創的な学部を作って
全国から学生を集めている大学については、
むしろ、規模が大きくなればなるほど
小回りが利かなくなって、
個性が失われてしまう可能性があります。
いずれにしても、公立大学は
いたずらに規模を追求するべきではありません。
「国公立大学」とひとまとめにして
語られることが多いのですが、
国立大学と公立大学は役割が明確に異なります。
最近は文科省主導で、
さまざまな改革がすすめられていますが、
大学の運営形態や置かれている状況によって、
進むべき方向には違いがあるということを、
しっかりと認識すべきだと思います。