当塾から受験者が多い高校として、
多賀城高校と泉松陵高校があります。
みやぎ模試の偏差値だと、
多賀城高校の普通科が51、泉松陵高校が44です。
その差は7ですから、学力検査の合格ラインの違いは
50~60点ぐらいという計算でしょうか。
ただ、進路の状況を見ると、
点数以上に違いがあります。
まず多賀城高校は(平成29年卒業生のデータ)、
国公立大の合格者数が46名なのに対し、
泉松陵高校は(平成28年卒業生のデータ)2名です。
相当な開きがあります。
この辺はご存知の方も多いでしょう。
ただ、これはあくまでも「成績上位層」の違いでしかありません。
ところが、「成績中下位層」も状況はかなり違うのです。
一般入試合格者数と推薦・AO入試合格者数を見ると、
その辺がよくわかります。
まず多賀城高校の四年生大学合格者数は、
一般入試349名に対し、
推薦・AO入試は48名になっています。
一般入試のほうは複数大学・学部に合格する人が多いので
単純比較はできませんが、
それを考慮しても一般入試の合格者のほうが
ずっと多いと考えてよいでしょう。
逆の見方をすれば大半の生徒は、
「一般入試で大学に合格できる力がある」
とも言えます。
それに対して泉松陵高校の四年制大学合格者数は、
一般入試65名に対し、推薦・AO入試は112名と
推薦・AO入試のほうが倍近い数字になっています。
一般入試のほうは複数カウントされている人がいますので、
実際はもっと大きな差があると考えてよいでしょう。
しかも、県外私立大学の一般入試合格者はわずか4名。
県内私立大学でも人気の高い東北学院大は、
全合格者45名のうち一般での合格者はわずか7名です。
また東北福祉大学も比較的入りやすい医療経営や
福祉系学部の合格者が多く、
人気が高い看護・リハビリテーションや
子ども学部(現教育学部)への一般入試合格者はいません。
つまり、泉松陵高校の場合は、
成績中位レベルでは国公立大はもちろん、
在仙私立大学であっても、人気の大学・学部の一般入試には
対応できないと考えるべきでしょう。
以前、こんな記事を書いたのは、
https://ameblo.jp/kodosemi/entry-12342791873.html
こういう状況を見てのことです。
これは泉松陵高校だけの話ではありません。
利府高校や塩釜高校などでも同じようなことが言えます。
ただし、逆に言えば推薦・AO入試であれば、
相当レベルの高い大学も狙える可能性がありますので、
これらの高校の新1年生のみなさんはしっかりと勉強して、
1年生のうちから良い評定を取っておくようにしましょう。