二華中や青陵中ができたことによって、
宮城県でも中高一貫校の人気が高まってきました。
中高一貫校を支持する人は、
「灘高や開成高校など、東大合格者を多く出している高校は、
ほとんどが中高一貫校である」
「無駄な高校受験に力を注ぐ必要がない」
「中学1年生から大学入試を意識した勉強ができる」
「早めに教科書内容を終わらせて、大学入試対策に
十分な時間をかけることができる」
というような点を、支持する理由に挙げています。
確かにその通り。私もそういった部分は否定しません。
ただ、意識が高い人、基礎学力が高い人にとっては
プラスになる点ではありますが、
そうでない人にとってはむしろマイナスになりかねない
要素を含んでいます。
例えば、高校受験があることによって、
中3生の学習時間が増えている面もあります。
高校受験がない中高一貫校では、
中3は中だるみの時期になってしまう可能性があります。
また、意識が低い人は中1段階では
大学受験までは考えないでしょうし、
進度が速いカリキュラムも、
理解できないのであればマイナスにしかなりません。
しかも、普通の中学校では高校入学時に入試があり、
自分の学力に見合った高校を選ぶことができます。
中学時代にあまり成績が良くなかった人も、
高校入学時にリセットができるわけです。
ところが、中高一貫校では最初につまずいてしまうと、
6年間リセットができません。
もちろん、途中で別の学校に移ることも
できないわけではありませんが、
それはあくまでも少数派です。
見方によっては中高一貫校は、
「能力のある者を伸ばし、能力のない者をつぶすシステム」
であるとも言えます。
ですから、中高一貫校を受験する場合は、
自分が「能力のある者」の側に入れるのかどうかを
しっかり見極める必要があると思います。