久しぶりにひどい記事を見たので、
紹介させていただきます。
下のリンクです。
https://mamanoko.jp/articles/26668
簡単に言うと、
「日本の教育は間違っている。フィンランド最高!」
という内容です。
確かにフィンランドはOECDの学力調査で
常に上位の成績をあげて、
世界中から注目されてきました。
ただ、この記事の最初にも小さな文字で
目立たないように書いてありますが、
2012年の調査では全ての項目において
日本よりも下位になっています。
しかも、
「前回調査までは、フィンランドはトップクラスを常に維持」
という記事の主張は嘘っぱちで、
こちらを見ればわかるように、
2009年の調査でも凋落傾向は明らかでした。
2012年の調査では、
フィンランドに限らず、一時期賞賛された
北欧諸国は軒並み惨敗です。
逆に上位を占めているのが、
比較的日本の教育制度に近い、
上海、香港、シンガポールなどアジア諸国・地域です。
日本もゆとり教育からの方針転換の影響か
上昇傾向ですから、
「日本の教育は間違っている。フィンランド最高!」
という主張の根拠は、既に消滅してしまっているのです。
もっともフィンランドの凋落は、
左翼的政策によって母国語を解さない移民が増えたり、
母子・父子家庭が増加したりした影響を
強く受けています。
ですから私は、
「フィンランドの教育は間違っている!」
などと主張するつもりはありません。
日本の教育が完璧だとも思っていませんので、
良い部分はどんどん取り入れていくべきでしょう。
ところが、この記事で紹介されているフィンランドの教育は、
・宿題なし
・少ない授業時間数
・知識を活用する指導
・記述式のテスト
・塾や予備校の否定
の5点ぐらいなのです。
はっきり言って、この5点を導入したら、
日本の教育はボロボロになります。
フィンランドの教育の「キモ」は、
そんなところではありません。
この記事を書いたのがどういう方なのかわかりませんが、
教育に携わる人がフィンランドの教育を
称賛する記事を書くのであれば、
その「キモ」の部分に触れなければ
記事を書く意味はありません。
むしろ有害なだけです。
この記事はそれ以外にもツッコミどころが満載です。
筆者は、塾や予備校、習い事を否定しておきながら、
自分は大手塾の下請けをしたり、
作文教室を主催したりしています。
自分が不要だと思っていることでお金を稼ぐなんて、
良心が痛まないのでしょうか?
「他人がやる塾は悪い塾。自分がやる塾は良い塾」
とでも考えているのかもしれませんが、
どう考えても矛盾しています。
私ははだいぶ前から、
「日本の教育は間違っている。フィンランド最高!」
というような紋切り型の主張に飽き飽きしていました。
最近はフィンランドの凋落で、
そういう記事を目にすることが少なくなっていたのですが、
こういう時代遅れの主張は勘弁してほしいものです。