今から4年ほど前まで、

宮城県の公立高校には

推薦入試制度がありました。


基本的に学力試験はなし。

中学3年間の評定に、

作文や小論文、面接などの評価を加え、

それで合否を決めていました。


意外と知られていないのですが、

その推薦入試制度では、

男女間で合格者の数に

大きな差がありました。

大ざっぱに言うと、

女子が全体の3分の2をしめ、

男子の合格者は3分の1程度でした。


現在の前期選抜においても、

その傾向は引き継がれています。

平成27年度の結果を見ると、

女子の合格者数が2760名なのに対し、

男子の合格者数は1867名に過ぎません。

推薦入試のときよりは多少差が縮まっていますが、

それでも男子の合格者は

全体の40%程度に過ぎません。


男女間の差がつく原因は、

何といっても「調査書の評定」でしょう。

一般的に調査書の評定は、

真面目な子が多い女子が高くなり、

逆に男子が低くなる傾向があります。

宮城県は調査書重視の県なので、

それで女子が有利になるということだと思います。


「真面目な女子のほうが受験で有利になるのは当然だ」

という意見もあるでしょう。

ただ、そういった違いは

個人差というよりも、遺伝子的な違いや、

成長度合いの違いによるものだと思われます。

それでこれだけの大きな差がついてしまうのは、

理不尽です。


特に、最近は学力検査が極めて易しくなっているので、

学力上位層においては

学力検査であまり差がつかなくなりました。

結果的に、仙台二高あたりになると、

評定が悪い子は、

門前払いに近い形になってしまっています。

恐らく、仙台二高は、

評定だけが良い真面目くんタイプよりも、

学力試験でしっかりと点数が取れる、

底力タイプのほうに

来てほしいと考えていると思うのですが、

どうでしょうか?


個人的には、前期選抜は定員が少なく、

ある意味特殊な入試制度ですので、

評定を重視したものにするのも一つの手だとは思います。

ただ、その分後期選抜では

評定は参考程度にし、

本番の学力検査一発勝負に近い形にすれば

もう少し男女間のバランスが取れた制度に

なるのではないかと思います。