聞くことは、待つこと | 子育てコーチング協会(旧:子どものこころのコーチング協会)

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こんにちは。

子どものこころのコーチング協会・インストラクターの浜田悦子です。


【 聞くことは、待つこと 】


小学二年の春休み、むすこは大きなチャレンジをしました。

それは、隣の駅に行くというもの。

そのチャレンジを聞いた時、わたしは思わず「う~ん」と唸ってしまいました。


隣の駅といっても、最寄りの駅まで1キロ弱あります。

その道中は工事中でしたし、いつもは手をつないで歩いています。

それに、いきなりひとりで電車にのるの!?と、内心ヒヤヒヤ。

さらには、二年前 スーパーから一人で帰れず、目に涙をたくさんためて戻って来た むすこの姿が重なっていたのでした。


このチャレンジは、むすこの提案でわたしが先に隣の駅に行って待っているという計画でしたので、何かトラブルがあっても助けてあげることができないし、途中でパニックになってしまったら、どうしよう・・・

これらの不安をかき消すように、アレコレ口を出していたら

「ママ?それ(一度に色々言われても)よくわかんないから」と、言われてしまいました。

こう言われて、我に返ります。



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失敗するとトラウマになるというウワサ

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むすこのチャレンジには、常日頃から背中を押してあげたいと思っているわたしですが、自分が思い描いている範囲を超えるものだと、つい不安や怖さが出てしまいます。

そこには大きな二つの理由がありました。


ひとつは、 わたし自身が傷つきたくないということ。

むすこのチャレンジを見守りたい反面、失敗して 悲しいむすこの表情をみることを考えると、胸の奥がツーンとします。

以前、チャレンジを失敗した時のむすこの表情が忘れられなかったのです。

背中を押したいわたしと 大きく矛盾していて、まだむすことの境界線があいまいなんだなぁと気付かされます。


もうひとつは、自閉症の子どもは失敗がトラウマになる、

と、どこかで聞いたものが、わたしの中に印象付けられてあったからです。

(正しく言うと、そこの文字ばかりをキャッチして 話の本質をみていなかったのかもしれませんが)

今よりずっとずっと子育てに不安だった時、どこかで聞いた 誰かの話を信じていました。


だけど、その言葉はむすこ自身が壊してくれました。

失敗しても、またチャレンジすればいい。と。



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親が決める限界・子どもが決める可能性

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わたしの子育ては、ああしなさい、こうしなさい、あれはダメ、これはダメ・・・

わたしが育てやすいように、わたしが傷つかないように・・・そんな子育てだったように思います。

自分でも違和感がありながらも、それを止める方法がわかりませんでした。


だけど、子どものこころのコーチング講座に出会って 気付くのです。

わたしがしていたのは子育てではなくて、一方通行な【理想の押しつけ】だったのだと。

だからと言って、すぐにわたしも変われません。

無意識に自分の中にある方法を変えるのって、とても勇気と根気がいるものでした。


それでも、失敗を繰り返しながら むすことの距離が縮まっていくのがわかりました。

講座を通して、話を聞くために わたしが得た大きな方法は“待つ”ということ。

親子でもテンポもカラーも違います。

待つということを意識したことで、むすことの会話がグッと増えました。

なんとかしなきゃ!できるようにしなきゃ!

と、いつも焦っていたわたしの子育てにも、ゆっくり発達するむすこにとってもとても有効な方法でした。

やがて、むすこは自分の気持ちを話してくれるようになりました。


それが、むすこの土台になったのでしょう。

ある時から、苦手な野菜も自分からチャレンジするようになりました。

とても些細なことですが、偏食のむすこにとってはとても大きいことでしたし、

逆に 苦手なことや助けてほしいことも口に出せるようになっていました。



障害児を育てていると、自立というキーワードを意識せざるをえません。

たくさんの自立の方法がある中で、わたしは ヘルプサインを出せることが一番大切だと考えています。

それは、「困った時は助けてっていうんだよ」という単純なことで できるようにはなりません。

色々なスモールステップがありますが、まずは 信頼関係を作ることをオススメします。

その信頼関係の土台がないと、チャレンジも失敗も、怖いものになってしまうと感じています。


これからも、むすこのチャレンジは続くはずです。

成功しても失敗しても、背中を押したり 一緒に悲しんだり・・・

むすこの大きな受け皿になれたらいいなと思いました。


最後までお読み下さりありがとうございました。



浜田悦子