八訂食品成分表の活用について④ | 管理栄養士 遠藤恵の食育ブログ

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おはようございます。こどもキッチンらぼの遠藤です。

久しぶりに今回も八訂食品成分表についてです。

 

以前も書きましたが八訂食品成分表、今までの物と大きく違う点がいくつかあります。

まず一つ目が「エネルギー計算方法の変更」こちらは以前ブログで書いています。

 

 

二つ目は「確からしい数値」に近づけるため、調理した食品は調理した食品の成分値を使うということです。

例えば「ほうれん草のお浸し」こちらを栄養計算するとき以前は、調理前の生のほうれん草を使用する重量で計算してきました。

しかし、ほうれん草をゆでることにより栄養成分が水に溶けだし成分が変化してしまいます。

それを考慮するため、今後は調理後である「ほうれん草 ゆで」を使って栄養計算していきます。

ここで問題が発生します。

生のほうれん草とゆでた後のほうれん草、ゆでることによって重量が変わります。

そのため、計算するときはゆでた後のほうれん草の重量にして栄養成分の計算をしなければいけないのです。

ここで使用するのが「重量変化率」です。

ゆでたほうれん草の重量変化率は70です。100gの生のほうれん草をゆでると、70gになるということです。

生のほうれん草50gでほうれん草のお浸しを作るとき、ほうれん草のエネルギーは

50g×0.7(質量変化率)=35g

35g×23(ほうれん草 ゆでのエネルギー)÷100=8.05kcal

 

今までの計算方法ですと

50g×18(ほうれん草 生のエネルギー)÷100=9kcal

このように約1kcalの誤差が生まれます。

 

ゆでたほうれん草でこの程度の誤差なら変わらなくない!?と思われるかもしれないですが、肉や魚の揚げたものなどはもっと大きく変わります。

この栄養計算の変更はなかなか大変でして…献立作成ソフトに入っている料理を一から作り直すという大きな仕事が生まれます。

 

さらに…

献立ソフトを使用している方はわかると思いますが、入力した食材がそのまま発注や作業指示書に反映されますよね??

栄養価計算でゆでたほうれん草を使用しても発注では生のほうれん草を使います。

そのため、生のほうれん草の重量に直さないといけないという二度手間。

今のところ私が使用している献立ソフトは自動で生の食材に変更するような機能はありませんでした。

八訂に更新されているといっても本当に数字だけで、運用するにはまだまだ実用的ではない現状です。

 

 

 

 

 

 

 

 

▼以下、改訂に伴い現場では混乱が起きております。

自治体や栄養計算ソフトの会社からの通達が正しいとは限らないようです。

一度、ご確認をお願いします。