ここ最近、大学入試制度の改革に関するニュースをよく見聞きします。
こんにちは。子どもの明るい将来指南役のひろです。
大学入試制度の改革は、海外でも通用するグローバル人材を育成するため、現在はセンター試験など一発勝負となっている入学試験制度を改革しようというものです。
ここで大多数のみなさんが疑問に思うことは以下のとおりと考えます。
大学入試制度を変えたからといって、海外で通用するグローバル人材が育成できるのか?ということです。
これはみなさんが想像しているとおり、大学入試制度を変えても、大学教育そのものは変わらないわけですから、グローバル人材が育つはずがありません。
大学入試を変えることによって、グローバル人材が育つと本気で文部科学省が考えているとしたら、もはや末期的な状態です。
よもや、そんなことはないはずと信じたいものです。
そもそも、「グローバル人材」ってどんな人のことなのでしょうか。
文部科学省が定義しているグローバル人材とは、以下のような人とされています。
グローバル化が進展している世界の中で、主体的に物事を考え、多様なバックグラウンドをもつ同僚、取引先、顧客等に自分の考えを分かりやすく伝え、文化的・歴史的なバックグラウンドに由来する価値観や特性の差異を乗り越えて、相手の立場に立って互いを理解し、更にはそうした差異からそれぞれの強みを引き出して活用し、相乗効果を生み出して、新しい価値を生み出すことができる人材。
書いてあることはともかく、まずはこの文章、本当に出来が悪いですね。
読むのが苦痛になってくる文章の典型例でしょう。
言ってることは、まあ、わからんでもないですが、きわめて抽象的ですね。
このような人材を育成していくのに、どんな教育をすればよいのか、考えるのも大変な労力を要します。
現在の大学教育に当てはめると、この定義を満たすことを目的とした教育はほとんど行われていないでしょう。
グローバル人材の育成。
この目標を達成するには、大学教育を改革しなければならない、と情報発信してくれれば、「そのとおりだよな。」と納得できます。
しかし、実際問題、大学教育を変えるのは容易なことではありません。
最大の問題点は、現在に大学にグローバル人材を育成できる教員は皆無であることです。
自分たちができないのであれば、自分たちは退き、それをできる人を外から引っ張ってくる。
こうすれば改革は進んでいくと思いますが、残念ながらそうはいかない。
自分たちが退く。
これは何を意味するかといえば、自分たちの職がなくなることです。
そんな方向に、大学の意志決定期間である「教授会」がOKを出すはずがありません。
このつづきは次回に述べることとします。
今回も最後までお読みいただき、ありがとうございました。