読者の広場:2022年5月号
「読者の広場」はコミュニケーションを目的とし、実際に寄せられたメール・メッセージと院長のコメントを紹介するコーナー。新聞発行に合わせて、毎月1回提供しています。病院とのかかわりあいのヒントを掴んでください。
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2022年5月号 345号: NEWS PDFはこちら!
先月のメールは 1 通だけでしたが、Facebook の Messenger では 10 件を超えるメッセージ、相談がありました。
この時期なのでコロナやワクチンに関し ての相談がほとんどでした。プライバシーに関わるので匿名で紹介します。
青葉区の◯〇さんからの入院報告のメールです。
「こんにちは、◯〇〇の母です。昨日は、看護師 さんに受付後にお電話出ていただけたおかげで、夜間救急へ行き、おしっこやっぱり出さずに血液 検査。紹介状をいたただき、本日、市立病院に入院になりました。
先日時点で、白血球が 15000. 炎症が 6.6。抗生剤の点滴投与のためです。カテーテルでの採尿もするとのこと。ただ今クダを繋ぎ中 でギャンギャン声を聞いております...早く治れ!!取り急ぎご連絡でしたー。」。
夜間救急に行き入院になった報告です。何もわざわざ入院までの報告しなくてもいいと思っている人も多いでしょう。 でもこれがクリニックが求めているかかりつけ患者さんとのつながりです。とても嬉しい(失礼)をいただきました。 もちろん退院の報告ももらっています。
大和町吉田さんから問い合わせのメールです。
「ご無沙汰しております!お久しぶりなので、確認の連絡でした。
〇〇と〇〇、日本脳炎と麻しん風しんの予防接種のお知らせがそれぞれ来たのですが、今までと同じように予約して大 丈夫でしたか?コロナワクチンと別曜日とか決まってましたっけ?
あと旦那の、コロナワクチンの 3 回目なのですが、 先生のところで予約できますか?
いろいろ質問でスミマセン。子ども達はしばらく元気にしてたので、どうだったっけ? と思って...。手数おかけします。」
院長は「ワクチンの予約は今までと同じで希望日で大丈夫。ご主人 3 回目はも大丈夫❗️ワクチンの希望はある?」 と返信しました。
つまらない(失礼)事でも何でも聞いて安心する。それが開業理念「お母さんの不安・心配の解消」です。 どんな事でも、気にしないで問い合わせて構いません。かかりつけですからクリニックを上手に使いましょう。
宮城野区の〇〇さんからのちょっとしたやりとりだけの紹介です。
「かわむら先生、こんばんは。いつも、大変お世 話になっております。〇〇の咳が、一向に良くならず...。職場で、検査をすすめられ渋々受けてきました。翌日の結果 と思っていたら、定休日で下手すると月曜日に結果がきそうです。昨日、受診に間に合わず、仕方なく ( 笑 ) 浮気しち ゃいました。
〇〇クリニックだったかに行き、レントゲンも撮りましたが、異常なし。あまりに、咳がひどいので、吸入薬いただきました。明日、〇〇のワクチン 2 回目の予定ですが、予定通りでいいのでしょうか?症状が落ち着いてから、後日でしょうか?
お忙しいところすみませんが、お返事お待ちしております。よろしくお願い致します。」
「こんばんは。コロナ検査は月曜日結果出る、〇〇クリニックでは検査は?ワクチンは無理することはないけど。明 日の状況で考えましょう ‼️」
「お返事ありがとうございます。検査結果は、明日が定休日なら、月曜日の午前中に出るはずです。〇〇クリニックでも、 検査はしていません。コロナのコの字も出ませんでした。ワクチンは、副反応が出たら症状紛らわしいので、別な日でも可能ならば、連休明けにでもいかかでしょうか?」
「その方がいいと思うよ!明日電話して」
こんなたわいのない会話みたいなメール、とても大切だと思っています。意味あいは二番目のメールと同じです。人 は聞くこと、吐き出すことで安心するものです。遠慮なく、メール、Messenger などで吐き出してください(笑)
小児用コロナワクチン副反応調査(1回目接種)Vol.2
かわむらこどもクリニックではコロナワクチン接種を推進しています。当院では接種に関する意識調査を2021年4回行い、前回は5〜11歳への接種に関しての意識調査も加えました。小児接種意識調査では年齢が下がった分だけ保護者の不安は増し、調査では副反応を心配する声が最も多くなりました。
コロナ感染者は減少していますが頭打ちで、小児感染者の割合が高い状態が続いています。
皆さんに協力いただいている5-11歳小児用コロナワクチン1回目副反応調査結果です。
冒頭に窓口で行っている接種希望に関するデータも示してあります。
接種を迷っている人は、是非参考にしてください。
目 的:小児用コロナワクチン1回目接種副反応調査
方 法:アンケート調査(Googleフォーム)
期 間:2022年3月12日~4月20日
対 象:当院で1回目接種を受けた5〜11歳児
結 果:回答数 102件
以下の設問はVol.1の続きです。
・副反応症状や不安で救急や医療機関を受診しましたか
受診した:1;1%
生活への影響について
・生活への影響はありましたか
軽度:7;6.9% 中等度:2;2.0% 強度:0;0.0%
参考:12歳以上
強度:12;3.2%
・あなたにとってワクチンの副反応はどうでしたか(総合的)
中等度:2;2.0% 強度:0;0.0%
参考:12歳以上
強度:12;3.2%
・2回目は接種しますか
考 察
Vol.1にも示しましたように結果でも分かるように、問題となる副反応はほとんどなく、総じて12歳以上より軽微です。そして、全ての接種を受けた人が2回目接種を希望していることが何よりの証です。
さて短期の副反応に関してはさほど問題はないことは理解できたと思います。ということで次はワクチンを接種するかどうかです。小児用ワクチンのオミクロン株に対する有効性はあまりデータがありません。
最近米疾病対策センター(CDC)は小児病院31施設にCOVID-19で入院した小児患者のワクチン効果について報告がありました。報告の内容は次のとおりです。
5~11歳の年代入院した患者群267人の平均年齢8歳、82%が基礎疾患を持っていました。内20人(7%)はワクチン完了者で、247人(93%)は未接種者でした。42人(16%)が重篤化し、2人にECMOが適用され、1人が死亡ししました。重篤化した42人中の38人(90%)はワクチン未接種者でした。5~11歳に対するワクチンの入院予防効果は68%でした。重篤化予防効果に関してはサンプルサイズが小さく分析には不十分でした。ただし、重篤化した患者のほとんどは未接種者でした。まとめとして、5~11歳の小児のオミクロン株による入院を約3分の2に減らしていたと結論されていました。(資料:BNT162b2 Protection against the Omicron Variant in Children and Adolescents., 30 March 2022. NEJM.)
感染者は少しずつ減少傾向ですが頭打ち、地域によっては再び増加傾向を示しています。年齢構成では、相変わらず小児の割合が高いままです。
小児での感染拡大を防ぐためにも、小児用コロナワクチン接種を考えましょう。
※コメント
アンケートへのご協力ありがとうございました。皆さんのおかげで一つのデータとしてまとめることができました。
項目は多岐に渡るので、内容を区切っての報告となります。
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小児用コロナワクチン副反応調査(1回目接種)Vol.1:
小児用コロナワクチン副反応調査(1回目接種)Vol.1
かわむらこどもクリニックではコロナワクチン接種を推進しています。当院では接種に関する意識調査を2021年4回行い、前回は5〜11歳への接種に関しての意識調査も加えました。小児接種意識調査では年齢が下がった分だけ保護者の不安は増し、調査では副反応を心配する声が最も多くなりました。
コロナ感染者は減少していますが頭打ちで、小児感染者の割合が高い状態が続いています。
皆さんに協力いただいている5-11歳小児用コロナワクチン1回目副反応調査結果です。
冒頭に窓口で行っている接種希望に関するデータも示してあります。
接種を迷っている人は、是非参考にしてください。
目 的:小児用コロナワクチン1回目接種副反応調査
方 法:アンケート調査(Googleフォーム)
期 間:2022年3月12日~4月20日
対 象:当院で1回目接種を受けた5〜11歳児
結 果:回答数 102件
※接種に関する意識調査(窓口)
(2022年3月1日〜4月20日 回答数316件)
※小児用ワクチン(5~11 歳)1 回目接種副反応調査
設 問:
・接種を受けるのに悩みましたか
悩んだ:3;2.9% すごく悩んだ:3;2.9%
・年齢を教えてください
5〜6歳:3;2.9% すごく悩んだ:7;6.9%
副反応と思われる症状
・接種部位の痛み
参考:12歳以上
・接種部位の腫れ
・発 熱
参考:12歳以上
・頭 痛
参考:12歳以上
・節々の痛み(筋肉痛)
・倦怠感(だるさやつらさ)
参考:12歳以上
考 察
従来の意識調査はGoogleフォームで行いましたが、冒頭の意識調査は窓口で記入してもらう方法としました。5〜11歳のみのデーターで、接種するは57.0%でした。2021年8月調査の受けさせる39.8%、11月の31.3%と比較して著増しています。接種しないも、過去の調査で8.7%、22.9%へと著増していましたが、13.6%と減少していました。
おそらくは開始前の不安が小児感染者増加により、必要性を感じた保護者が増えたものと思われます。今回の調査「接種を迷いましたか」で悩んだ2.9% すごく悩んだ2.9%、多くの人があまり悩まず接種を受けたこともコオのことを証明しているかもしれません。
今までの調査でも、当然ながら不安の第1位は副反応でした。今回の調査は接種日含めて4日間のいわゆる急性の副反応の調査です。基本的には結果でも分かるように、問題となる副反応はほとんど起きていないと言うことになります。
小児用ワクチンは「コミナティ筋注 5~11歳用」で、接種量は0.2ml、有効成分量は10μgです。12歳以上対象ワクチンは「コミナティ筋注」で、接種量は0.3ml、有効成分量は30μgです。この差が副反応に違いがあるかどうかの一つの参考として、12歳以上のデータと比較しました。比較した発熱、頭痛、倦怠感全てで12歳以上の副反応が強く、加えて生活への影響、総合的な判断でも12歳以上で強い結果となりました。
しかしながらこの理由に関しては、有効成分量が1/3が関係しているのか、小児の反応の違いによるかは明らかではありません。
5〜11歳への小児用ワクチン1回目接種では、12歳以上と比較して副反応は少ないと結論づけることができます。もう一つ重要な副反応に血管迷走神経反射があります。これはワクチンに対する不安と痛みによって失神発作を起こすものです。12歳歳以上では時に見られましたが、5〜11歳では1例もありませんでした。
Vol.2では副反応への対応の結果を示し、ワクチンの有効性、さらに接種についても解説予定です。
※コメント
アンケートへのご協力ありがとうございました。皆さんのおかげで一つのデータとしてまとめることができました。
項目は多岐に渡るので、内容を区切っての報告となります。