新型コロナウイルスワクチンに関する意識調査 Vol.3
かわむらこどもクリニックでは、新型コロナウイルスワクチンに関する意識調査を、2021年1月と5月に行いました。
目 的:コロナワクチン接種前と接種開始後のコロナワクチンの接種希望、効果への期待、副反応への不安、子どもの接種に関する意識を探るため。
同様の対象者、設問で2回行うことにより、意識の変化を評価することも目的。
方 法:アンケート調査(Googleフォーム)
期 間:1回目 2021年1月24〜31日 2回目 2021年5月21〜31日
対 象:CLINIC Mailnews登録者、LINE登録者、FaceBookページ発信。
結 果:回答数 1回目 356件 2回目 394件
設 問:
・回答者の接種希望(再掲)
設問:あなたはコロナワクチンを受けたいですか?
1回目
2回目
・接種に対しての不安
設問:コロナワクチンを受けたいと思っている人にお聞きします。不安がありますか?
1回目
2回目
・不安要因の内訳(接種希望)
設問:ワクチンを受けたいのに不安があると答えた方にお聞きします。何が不安ですか?
1回目
2回目
・接種場所希望
ワクチンの接種方式に集団接種(大きな会場)と個別接種(かかりつけ開業医)が考えられています。どちらの接種を希望しますか?
1回目
2回目
・不安要因の内訳(接種未希望)
設問:コロナワクチンを受けたくない、わからないと答えた方にお聞きします。理由は次のうちどれですか?
1回目
2回目
考 察
最初の設問はVol.2の再掲となるが、回答者接種希望の割合は46.9%から75.3%と1.5倍となり有意に増加していた。新型コロナ感染症への不安とワクチン有効性の理解深まった結果と考えられる。
ワクチン接種に関しての不安はほとんど変わっていない。ワクチンの有効性の理解が進んだにもかかわらず、不安が変わらないのは報道される副反応の情報に引きずられている可能性が高い。
不安要因の内訳では1回目2回目では傾向に差がなかったが、痛みに関して3倍近く増加している。痛みの情報がどこから来るのか不明だが、マスコミで取り上げられる事は少なく、おそらくSNSなどを含めた個人からの情報かもしれない。接種希望者が増加しているのに合わせて、ワクチンの有効性への不安が1回目39.6%、2回目が30.1%に低下している。ワクチン効果への理解は深まっているのだろう。これにはマスコミなどからの情報が影響している可能性が考えられる。
接種場所の希望では、1回目と2回目ではほぼ同じ割合だが、多くの人たちがかかりつけでの個別接種を望んでいる。このような意識を理解した上での接種計画立案が重要であると考える。
接種を希望しない人の不安要因は、接種希望者とほぼ同様である。1回目と2回目での傾向は同じで、未知のワクチンであるが故の副反応への不安視が高い。接種を希望しない人たちの2回目調査では、死亡への不安が3件と多かった。
今回の設問を評価すると、接種希望者の増加に合わせてワクチンへの理解が深まったが、副反応への不安は全員としても変わっていない。接種希望場所からは、遅くてもかかりつけで接種したいとの思いから個別接種に集中している。遅くなってもかかりつけ医で接種したいという意識が、国が求めている7月末までの接種終了に影響を与えている。高齢者は持病を持つことが多くかかりつけとのつながりが深く、医療機関間でも偏りが問題になっている。接種場所の偏りを打開するためには、64歳以下の接種を前倒しにする必要があるだろう。
※コメント
アンケートへのご協力ありがとうございました。皆さんのおかげで一つのデータとしてまとめることができました。
コロナワクチン接種の参考になれば幸いです。
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(Vol.4に続く)