先日、娘の4ヶ月健診に行って来ました。「そろそろ寝返りの練習始めてください」と言われたり、離乳食のてびきを渡されたりしました。
今はまだコロンと寝ているだけなのに、あと少ししたら「本格的」に動き出すのかと思うと、信じられない気持ちです・・・。
来年の今頃には、もう自分で歩いているし、おそらく言葉も始まっているでしょう。これから、どうなっていくんだろう??
この『ことばの前のことば』は、発達心理学の専門家が、自分の息子を観察して作った本です。
「生後何ヶ月・何日、どんな状態で何をした」という、びっくりするくらいたくさんの細かい記録がつづられています。
ヨーロッパでの研究では、子どもの発達を「言語」の視点から見ることが多く、しゃべれない赤ちゃんの行動は「前言語的」とされてきました。(この本の発行は1987年ですが。)
著者が取り組んだのは、そのような「二分法」ではなく、言葉が生まれる前の何が言葉へと広がっていくのかということでした。
例えば、赤ちゃんの「指差し」。これは、それまでの「赤ちゃん-お母さん」、「赤ちゃん-もの」という1対1の関係がつながって、3項関係になったことを意味します。
そう言えば、息子もベビーカーに乗りながら、本当にたくさんのものを指差ししていたことを思い出しました。息子の心に留まったものを、わたしにも教えてくれようとするのは、まさにコミュニケーションの始まりでした。ものを通すことで、人と人との関係がぐっと深まるということです。
これから娘が最初に指差すものは何だろう、と今からワクワクします。
しゃべれるようになってしまえば、どうやって「身につけたのか」忘れてしまう言葉。この本では、到底読みきれないほどの細かい記録が載っていますが、記録できたのはごくごく一部のはずです。
言葉というのは、川のようなものなのですね。川になってしまえば、どこから流れてきているのかは、わかりません。時間をかけて山にしみこんだ雨が、小さな源流となり、流れて流れて、他の流れと合流し・・・
そのように、今、娘は全身に言葉をしみこませているのだと思いました。もちろん、「無視できない泣き声」と「無視できない可愛さ」で、言葉のシャワーをひきつけていることは言うまでもありません。