今回取り上げる季語はしゃぼん玉で春の季語となります。
しゃぼん玉というと、その存在があるのかどうかわからないようなその透明感と触れてもすぐに音もなく消え去ってしまう虚しいような、寂しい感覚は中山晋平作曲、野口雨情作詞のしゃぼん玉の唱歌がよく表しています。
しゃぼん玉に近い季語としては「風船」が思い浮かぶのですが、こちらは豊かな色彩を持ち、風船の材質により、ゴム製なら跳ねるよう、紙製ならごわごわした中にも弾けるような、様々な感触が楽しめます。
また、ゴム製の風船は割れる時に大きな音でその存在が消え去ったことを主張しているようでとても表情豊かです。
また、風船はしゃぼん玉と違いヘリウムなどの空気より軽い気体で膨らませるものもあり、その風船は手を離すと何処までも空高く飛んでいく軽やかさが感じられます。
一方しゃぼん玉は空気で膨らんでいるため、風に乗った時や上向きに吹いた時はふわふわ浮かんでいきますが、そのうち下に落ちてきてしまい、ヘリウム入り風船の軽やかさに比べると少し重い感じがあります。
春の季語であり、ふわふわ浮かんでいるしゃぼん玉と風船ですがこう見てみるととても対照的です。
しゃぼん玉きのうのままとならぬ恋
(俳句ポスト投句)
今回も最後までお読みいただきありがとうございました。