今回取り上げる季語はうらうらで春の季語となります。
現代では余り使われない言葉ですが、万葉集には「うらうらに照れる春日にひばりあがりこころ悲しもひとりしおもへば」という歌が収録されており古代にはよく使われていた言葉です。
現代では同じ意味合いで「うらら」、「麗か」がよく使われています。
そして、この二語は多くの歳時記で季語として扱われています。
「うらら」、「麗か(うららか)」のこれら二つの言葉に共通して使われる「うら」は日光が穏やかに照り渡る様子を描写した言葉です。
そして、「うらうら」は擬音語・擬態語辞典(講談社学術文庫:山口仲美編)にも収録されています。
その中に書かれている「うらうら」には四つの意味が書かれています。
それを書き出してみると、一つ目は日光が穏やかに照りわたる様子、これは先ほど出てきた「うら」の意味と同じです。
二つ目は蒸気、煙、雲などがのどかに立ち上る様子とあります。
ここでいう雲とは高山などで発生する霧や霞が立ち上っていくうちに雲になる様子をいっているのではないかと思われます。
三つ目は穏やかで心地よい音やよい香りが立ち込める様子とあります。
四つ目は態度や行動などがのどかな様子とあります。
これら全てを「うらうら」という季語の本質と考えると、うらうらとした春の風景どんどん浮かんできて、次々と句ができてきます。
しかしながら、自分で作った句を読み返してみると、どれもどこかで見たような気がするものばかりで、これぞというものが見当たりません。
でも、色々な風景を夢想し、自己満足ではあっても、句がどんどんできるのは俳句の楽しさかなと改めて思ったしだいです。
今回も最後までお読みいただきありがとうございました。