石蓴(あおさ)(春の季語) | 蔵六の雑記帳

蔵六の雑記帳

過去にそしていま感じたまま、思うままを記していきたい思っています。
面白くない話かもしれませんが、お付き合いのほどよろしくお願いいたします。

今回取り上げる季語は石蓴(あおさ)で春の季語となります。

 

 

漢字だけ書かれていれば私はまず読めませんでしたし、類推することも不可能でした。

 

同様の感想は恐らく私を含めた多くの方がお持ちと思います。

 

当て字のようにも思えるので各々の漢字について調べてみました。

 

まず、「石」これは小学生で習い、その後も数え切れないほどお目にかかっているので特に取り上げる必要は無いかと思います。

 

次に「蓴」は初めてお目にかかる漢字で、辞書で調べると読みは「じゅん」もしくは「ぬなわ」とあり、この漢字に「菜」を合わせて「ジュンサイ」と読み、皆様もよくご存知のぬめっとした独特の食感を持つ食べ物で夏の季語にもなっています。

 

 

そして、「ジュンサイ」は古くは「ぬなわ(沼縄)」と呼ばれていました。

 

「沼縄」と書くと水から引き上げたときの「ジュンサイ」の姿が想像できます。

 

 

山生まれの山育ちの私は「あおさ」と言われてもその姿、感触、匂いの実感が無いので、「あおさ」という漢字から岩(石)に張り付いたぬめぬめした細長い海草で、ジュンサイに似て匂いもほとんどない海草ではと想像してみました。

 

想像だけ先走ってもいけないので、「あおさ」とはどういうものか調べてみました。

 

そうすると「あおさ」は磯の岩に着生し、成長してくると岩礁を離れて海面に流れ出して行くそうです。

 

 

想像するに岩礁から海面に流れ出した姿が池や沼に自生している「ジュンサイ」に似ているので、「蓴」の漢字が当てられているのではと思われます。

 

青海苔と呼ばれるものにはアオサ属のアオノリから作られた青海苔とアオサから作られた青海苔があるそうですが私には区別が付きません。

 

区別する手がかりとしてアオノリから作られた青海苔のほうがアオサのものより香りが強いそうです。

 

アオサにもいくつか種類がありそのうち食感のよいヒトエグサ類は食用として養殖されていますが、その他の種類はヒトエグサに比べると食感や味が劣るそうです。

 

それら天然のアオサは成長が早く大量に海に流れ出し、波によって再び浜や磯に押し戻されてきます。

 

 

浜辺に延々と干からびた海草を見かけたらそれはアオサの成れの果てかもしれません。

 

そんなアオサは一部飼料として利用されていますが、その多くは浜辺の美観を損なうとして焼却処分されているそうで哀れさを感じます。

 

カンツォーネ口遊む母石蓴採る
(俳句ポスト投句)

 

今回も最後までお読みいただきありがとうございました。