千刈り貯水池(3) | 蔵六の雑記帳

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過去にそしていま感じたまま、思うままを記していきたい思っています。
面白くない話かもしれませんが、お付き合いのほどよろしくお願いいたします。

それでは前回からの続きをお話したいと思います。

千刈り貯水池(2)


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千刈貯水池と堰堤のあらましが書かれた看板付近に「せんがりばし」という名の橋が架かっていました。


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一見すると何の変哲もない橋ですが、その橋の銘板には「大正八年五月」と書かれています。


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大正八年といえば西暦でいうと1919年になるので、この橋は約100年前に架けられたことになります。


パッと見ただけではそんな古い橋には見えませんでしたが、橋桁を支えるアーチ部分の部材は確かに現代で使われているようなコンクリートではないことに気がつきました。


また、アーチを支える石垣もかなり古いものであること見て取れます。


第二次大戦後の高度成長期に作られた道路、橋、高層ビルがここ最近になって経年劣化による寿命を迎えていることを考えると、作られてから100年近くを経て、いまだに現役で使われているこの橋の構造物の頑丈さに敬服させられます。


明治、大正期に丁寧に作られたものはこんなにも長持ちするんだと感心したしだいです。


そして、この千刈貯水池と同時期に作られたせんがり橋の中ほどには近代化産業遺産の銘板が掲げられています。


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そして、その隣には国の登録有形文化財の銘板が掲げられています。


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この銘板の先に見える堰堤の姿がこちらです。


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この画像を撮影したときは渇水期なので堰堤表面の整然と詰まれた石組みの美しさが見て取れます。


そして増水期の画像がこちらです。


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堰堤表面の石組みの凹凸の影響でしょうか、堰堤を流れ落ちる水が白く糸を引いたようにも見えます。


まるで絹糸が流れ落ちているようでとても美しい眺めです。


堰堤の設計者がこの光景となるように作ったのでしょうか?


そうであれば設計者の技術力の高さとその遊び心に敬意を表したいと思います。


もう一つこのダムで美しいと感じるのは堰堤上部に17個並んだアーチです。


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凝った装飾がなされているわけではありませんが、そのシンプルで均整の取れた形は長い時間眺めていても飽きない美しさです。


堰堤下部からの眺めはこのあたりにして次回は堰堤上部からの眺めについてお話したいと思います。


今回も最後までお読みいただきありがとうございました。