皆さん こんにちは。
最近、下記のような物件事例を目にしましたので
その件について思ったことをブログに記します。
――――――――――
その物件は・・・
① 築27年目を迎える軽量鉄骨造2階建てのアパートです。
② 都内私鉄の急行電車も停車する駅徒歩10分に位置しています。
③ 190坪の土地に14戸の1Kタイプ(18㎡ 3点ユニットバス)にて運用しています。
※室内は27年前から付加価値を上げるようなリフォームはしていません。
入居者入替え毎に 一般的な原状回復工事のみをおこなっています。
※3点ユニットバスとは、1つのスペースに「風呂、トイレ、洗面所」が一緒になっている
ユニットバスを言います。
④ 現在満室です。
⑤ 賃料収入は約62万円/月 の収入がある物件です。
⑥ 投資家の求める利回りは10%の地域となっています。
⑦ この物件が建っている土地の路線価は23万円/㎡です。
―――――――――――
・ ・ ・ 上記の状況について 、なにか気付かれましたか?
少し、解説していきます。
―――――――――――
月収が62万円ということは、年収は744万円です。
年間収益÷投資家の求める利回り=物件価値なので、
744万円÷10%=7,440万円 これが収益還元で算出された物件価値です。
収益物件として土地と建物を売り出す場合には この物件価値が基準となります。
一方で 路線価が23万円/㎡という情報がありますので
収益物件としてではなく、「土地」として売り出した場合のことを考えてみましょう。
190坪≒628.09㎡となりますので、
628.09㎡×23万円=14,446万円となります。
収益還元法での土地建物の価値・・・7,440万円
路線価を使った場合の土地の価値・・・14,446万円
収益還元法と路線価を比べると、価値が全然違うことがわかります。
せっかく 収益物件を建築して運用しているのに
それが土地のもつ価値よりも低くなってしまっているのは
なんか、もったいないですよね。
―――――――――――
では、なぜこのような状況になってしまったのか。
その大きな理由は下記のようなことが考えられます。
① 近隣物件に対する競争力の低下
※ 築27年であっても、他物件と明確な違いがあれば競争力を保つことも
出来ますが、27年間特に手も入れず時間が経過してしまった本物件は
近隣の競合物件と比べると競争力が落ちてしまったと考えられます。
② 競争力の低下を解消するために、家賃を相場より低くしてしまった。
※一般的に入居者を見つけるのが難しい築25年超え20平米以下の物件で、
しかも、3点ユニットバスの間取りなのにも関わらず満室になっていることからも、
周辺相場よりだいぶ安い賃料設定となっていることが考えられます。
③ 土地の広さに対して収益物件を建築する割合が少ない
※そもそも土地が持つ容積率に対して、その割合を大きく下回っている
運用状況があります。本当はもっと稼げる土地なのに、それをしていないという
状況が発生しています。
―――――――――――
今回はだいぶ極端な例ですが
実はこのような状況に陥っている物件を所有している方は
数多くいらっしゃるのではないかと思っています。
今回の記事を読んで、自分の物件はどうなんだろう?? と思った方は
お気軽にお声がけください。
その物件が置かれている状況に即した対応策の用意もございます。
一緒に考え、行動し、物件価値の向上に努めさせてもらえればと思います。
※記事内にでてきました 収益還元法の物件価格については総潜在家賃収入を
投資家の求める利回りを使って算出しています。
正確な物件価値とは誤差がありますが、例題ということで
ご理解いただければと思います。