はい、湊かなえさん第二弾です。

前回は『贖罪』をご紹介しましたけど、今回は湊さんのデビュー作にしてものすごい熱を感じさせる小説『告白』です。

映画化にもなり、話題でしたよね。

この小説を読んで、しばらく牛乳怖い…ってなった人も少なからずいるのではないでしょうか。ちなみにわたしの友人で1人そんなことを言っていた人がいました。繊細ですね。

 

イヤミスと呼ばれるジャンルは湊さんからじわじわと有名になっていったような気もしますが、沼田まほかるさんからかしら…。まあ、待て、そこはどちらでも良い。どちらも好きだ。

映画で主演だった松たか子さんのこの無機質な表情がとても好き。

でもあのミュージカル的な感じ、いらない。

 

 

あらすじとしては、終業式に担任の女性教諭(森口さん)は生徒達に教師を辞めることを告げ、生徒から原因は森口先生の娘が学校のプールで亡くなったことかと質問が。先生は事故死ではなく、クラスの少年2人が犯人だと言い、復讐をしかけたと語る…。

6章まであるので結構長いですが、惹きつける文章力が非常にあるので、すいすいと読めます。むしろ、このままどうなってしまうのか早く知りたくて、思いの外あっという間にラストを迎えた記憶が。

イヤミスというだけあって、基本的に胸糞な人間がたくさん出て来ます。

犯人の生徒だけじゃなく、それらに関わっている人間も。

 

母としての執念を感じるのは、独白の時に少年2人をクラスの人間は誰だかわかるように伝えているところです。そして、自分は去り、クラスで内ゲバが始まるわけですよ。いじめです。全部計算の上で行なっていて、最終的には命の尊さまで教えてくれます。

教師の鏡でもありますね。←

相当遠回しではあるんですが、復讐というのはさっぱりばっさり終わらないものなのです。うん。

そして生徒諸君。本当に不毛でバカがたくさんですよ。

まさに中学生って感じ。

犯人2人も人の命なんてどうってことない、自分の半径1mの世界が全て、みたいな人種なんですけど、クラスメイトも大概ですね。人殺しがいる、ということで「天罰」と大義名分を設け、いじめを謳歌します。それはそれは、自分たちのストレス発散のためにしているのに。

 

人間の心は1日だって同じってことはない。

今日は笑っていても明日には泣いていて、明後日には怒っているかもしれない。

命がどうだとか、そういうのも大事なメッセージなのかもしれないけど、わたしはこの小説を通して、親という存在がいかに子供に影響を及ぼすのかをしみじみ感じました。

では。

 

 

 

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