今、夜結構時間があるので、映画やドラマを観ているわたしです。

気が紛れていいよね。

そして、一昨日、変な時間に寝てしまって眠れない深夜に観た映画版の昼顔です。メインキャストは上戸彩さんと斎藤工さんで変わりはありません。

昼顔はドラマも全部観ていました。特に吉瀬美智子さんがめっちゃ好きだったなあ、と当時を思い出しながら、映画には出ていないので、どんな感じになっているのかと一応わくわく。

正直な話、ドラマのラストがちょっと個人的に納得できていないので、映画ではどうするのかとても気になっていました。

ちなみにドラマ版はこんな感じ。

 

 

全員、麗しい。

っていうか、こういうキャッチコピーを考える人って素晴らしいですよね。

まさしくって感じのこと書いてる。

ミッツマングローブさんのお母さんはこういうことを考えるお仕事をなさっていたようで、言葉選びの良さは継いでいるような気がします。

ドラマで印象的だったセリフが吉瀬美智子さん演じるりかこさんが夫に不倫がバレた時に言い放った言葉。

「どうして「顔だけの女だ」とバカにするあなたにニコニコ笑って「おかえりなさい」って言えてたかわかる?不倫してたからよ」

不倫を肯定する気は無いんです。でもね、それぞれの家庭の状況とかそれによって生じる精神的な問題とか他人がどうこう言えない部分ってあると思うんですよ。りかこさんは家庭で平穏で優しく過ごすために、自分には不倫が必要だと豪語していました。また、

「生半可な返事しかくれない夫との15年より、その時だけでも自分を求めてくれる男の方がよっぽどいい」

というセリフも印象的。でも、このセリフは色々思ってしまうな。

15年ずっと生半可な返事しかくれなかったわけじゃないだろうし、その時しか自分を求めない男とは行為が終われば虚しいだけだと思ったりします。

 

あと、恋愛した時に誰にでもあてはまるのではないか、と思うようなセリフ。

「恋愛って前の経験がほとんど役に立たない。いつもゼロからやり直し」

わかる、と思う。

経験として残るのは負の感情が多い気がする。

前の人にあんなことされたから、この人もこういうことしてるんじゃないか、とか。

だからこそ、初めて恋人が出来た時は無我夢中でまっすぐ相手のことだけを見ていられるのではないのだろうか。だからこそ、初めての恋人というのは大概ろくでもないんじゃないだろうか。だって、そこから「ああ、異性というのはこういうものなのか」と教えてくれるのですから。

良い記憶も悪い記憶も。

思い出は美化されるとよく言いますけど、わたしはどうしてか嫌な思い出や負の感情がより濃く残ります。自分でも悪い癖だと思うんですが、いつも人を疑ってしまう。粗探ししてしまう。そんなことしても自分メリットなんて何もないのに。

きっと、わたしは無意識にバリアを張っているのです。

傷つかないように、もし本当に相手が後ろ暗いことをしていたとしたら「ほら、やっぱりね」って言えるように。

 

話はそれましたが映画版の昼顔はドラマでお別れをした2人が3年後に再会するところから始まります。虫の研究?かなんかしてる斎藤工さん演じる北野先生が上戸彩さん演じる紗和の住む地域で講演会を行い、再会。

かなり一気に燃え上がり(肉体云々の関係はしません)、一緒にいる時間を増やすとまあすぐに勘の良い北野夫人にバレる。尾行していた北野夫人に2人でいるところを見られ、ホテルの連行されます。

「そんなに一緒になりたいなら離婚してあげるから、今ここでセックスしなさい」

と江戸川乱歩もびっくりな提案をします。当然、拒否する2人。問答勃発。思わず突き飛ばされる紗和。時が止まった瞬間、北野夫人が叫びます。

「私何も悪くないのに悪者みたいになってる!!」

これ、とても心が痛くなった。

不倫する側の心理がドラマではよく表現されていましたが、映画では不倫される側の感情を細かに描いていました。そして北野夫人、ラストまで心が痛い。

ラストにね、また叫ぶんですよ。

「私の方があなたを想っているのに、どうしてあの人を選ぶの!あの人の何がいいの!答えてよ!」

北野先生「わからない」と言います。

「答えになってない!あなたのいない人生なんて考えられないのに!私の方があなたを愛してるのに!どうして!」

北野先生「わからない。ただ…紗和が好きなんだ」と言います。

ここで北野夫人の何かが切れる。あああああああ、と観ているこちらがなる瞬間。ちょっとこれは精神的にダメージ強すぎなので、ネタバレ控えます。はい。

この、どうして好きなのかはわからない、妻より相手の何が優れているとか相手が妻より自分を想ってくれているとかそういうことじゃなくて、ただ自分の感情として好きだという想いがとても強いだけ、というごくシンプルな気持ちなんですよ。

誰も悪くないの、恋をした、ということに関しては。

でも、みんな傷ついているの。そのことは背負わなくてはいけない。

 

『喜ばない 期待しない 明日を見ない』

 

ドラマ版でよく出てきた言葉です。ゴールがない迷宮みたいな感情を抱きながら、それでも好きになってしまった、その気持ちが高ぶりすぎないように自分を戒める言葉だなと思いました。

そして、男性はずるいね。

こんな感情を女性に抱かせておきながら、知らんぷりしてる。

何も言わないから大丈夫、だなんて思ってる。

 

ドラマ版では吉瀬美智子さんがとてもお気に入りのキャラ(アニメか)だったんですが、映画版でとても好きなキャラ(だからアニメか)が黒沢あすかさん演じる紗和のバイト先の先輩・キヌエさん。

終始無愛想なんですけど、最後にお祭りのシーンがあって、みんな浴衣に着替えるんです。で、紗和に浴衣を着せてあげているんですが、その時に着せている浴衣の柄が昼顔という花。初めて知りました、そういう花があることを。そして、途中で紗和が不倫をした末に元いた街を追い出されていたことをバイト先の人達が知るんです。

で、浴衣着せてあげている時にキヌエさんが

「あたしも昔、家庭のある人を好きになったことがある。踏み込めなかったけどね。だけど、今でも時々思うよ。あたしは本当に旦那を裏切らなかったのかって」

この部分だけでもかなりグッとくるんですけど、最後に

「女はね、自分にできなかったことをした女が一番嫌いなんだよ」

って言いながら帯を締め上げてにこにこしていたキヌエさんにわたしは恋をしましたよね。

ちなみにこちらが黒沢あすかさん。

 

 

映画の舞台が海の街なので、出演している時はすーごく日に焼けてます。

黒沢あすかさんはいつも演じる役でまるで別人のような顔を見せてくれるので、とても好きな女優さんの1人です。

 

映画を観終わった感想は。

 

『本当に欲しくて、欲しくて、気が狂いそうなものほど、手に入れられないんだな』

 

ということでした。

では。

 

 

 

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