どうも、わたしです。

今回は中2の頃観てどハマりした映画『バッファロー'66』をご紹介します。

この映画は大好きなクリスティーナリッチ目当てで観たんですけど、初めて観たヴィンセントギャロにもう胸を撃ち抜かれましたね。

アーティストとしても映画監督としても俳優としても活動されている方というのは映画を観終えて調べ始めて知ったことなので、予備知識ゼロでこの映画と向き合いました。

ネタバレありで行きますよー。

 

あらすじとしては、刑期を終えて出所したビリーは実家に電話をして自分は政府関連の仕事をしていたが、落ち着いたので妻を連れて帰ると言います。大嘘の大嘘、ビリーは彼女いない歴=年齢の童貞です。しかし、ついてしまった嘘は引き返すことができなかったため、電話をかけた場所近くのダンス教室にいたレイラをさらうことにした。

というのは話の始まりです。

これはギャロが監督も務めているんですけど、自分しか演じられないと思ったんじゃないのかと感じるほどとてもギャロにマッチしていて。

というのも、非常に気持ち悪いんですよ、ビリー。

神経質だし潔癖だし、すぐ怒る割にすぐ落ち込んで泣くし、童貞だし。

連れ去ったレイラたんに自分の両親に良妻を演じろ、と脅します。

なんだよ、その脅し文句って思うのが通常の女性かもしれませんが、女神レイラたんは「わかった」と快く引き受けます。

かわいい。

 

そして、ビリーの実家に行くと、そこにはアメフトにしか興味のない母親と自分にしか興味のない父親がいて、家族なのにまったく家族ではないという光景を目の当たりにします。だからこそ、ビリーはいくつになっても両親の気を引きたいのです。褒めてほしい、愛してほしい。

でも、その願いはことごとく無視され、ビリーはずっと失望し続けていました。

両親にも、自分にも。

そんなビリーの環境を察したレイラたんは両親にとても良くし、良妻をしっかりと演じます。両親もレイラたんを気に入る。

だけど、こじらせビリーは何が気に入らないのかレイラたんを怒ったり文句を言ってきたり。

レイラたんはそんなことされても、ちょっと困った顔をするだけで全部受け入れます。もう、本当に女神。女性の鏡。今すぐ母親になって欲しい。このあたりでレイラたんはビリーに「わたしはあなたのことが好きよ」と伝えますが、童貞ビリーはなんとも響きません。

しっかりしてくれよ。

その後立ち寄ったファミレスでビリーは長年片思いをしていた女性に再会します(男付き)。

この女性はリア充であり頭の中ハピネス花畑なので、ビリーのことをけちょんけちょんに言います。しかし、ここでレイラたん「彼はとても良い男よ」と誇らしげに言う。だけど、笑われて終わり、ビリーもちょっと気まずい顔をしています。このシーン本当胸が苦しい。挙句の果てにはこんなことまでするので、もう、画面越しのわたしの顔はビリーと同じでした。

いやーな空気の中、本来はビリーには目的がありました。

それは、逆恨みしてる相手を殺して、自分も死ぬこと。

だけど、相手が現れるまでは時間があります。そのため、レイラたんと共にモーテルに。

 

ここで通常の映画だったらとっととキスでもしてうんぬんかんぬんかもしれないんですけど、童貞ビリーは完全な2人きりの空間にかちこちになってしまい、お風呂に入るのも下着を身に着けたまま入ります。途中でレイラたんも一緒に入るけど、裸にはなりませんし、お互いの体にも触れません。

ここが、わたしすっごく好き。

安易な男女関係って見飽きたんですよ。

こういう男性がいてもいいじゃない。

レイラたんは献身的にビリーを励まし、そばにいます。例え、キツイことを言われようとも。

それはもう、好きだからの一言だと思う。ああ、女神よ…。

お風呂から出て、しっかりと服を着た状態でベッドに横になる二人。結構距離空けてます。

そこから、レイラたんは自分はビリーが好きだ、という雰囲気をきちんと作り、それに応えたいけど童貞だし…っていうビリーのことを急かすわけでもなく、ただ、少しずつ近くに行き、本当に静かにキスをします。このシーンも好き。でも、あえて画像は載せません。

そして、服を脱ぎ始めるのか!?とお思いでしょうが、そんなことはしません。

こういうカメラの位置やワンシーンワンシーンの切なさ、儚さを描いているので、観ていない人にはアート映画と呼ばれやすいのかもしれない。この映画は純愛愛映画です。本当。

見よ、ビリーの丸まり具合。見よ、レイラたんの聖母具合。

ビリーはここでやっと、自分の弱さを見せられる相手に出会ったんだと感じました。

でも、ビリーは銃を持って出て行きます。その時、不安げな顔でレイラたんは言います。

「愛しているから、必ず戻ってきてね」

 

実際、ビリーは頭の中で逆恨み相手を殺し、自分も死ぬ妄想をします。

この時のBGMが最高にかっこいい!!

しかし、ふと我に返ったビリーは思う。

「俺が死んだところで、両親はなんとも思わない」

行先を変更して、ドーナツ屋さんへ。←外国っぽい。

そこで大きなハートのクッキーを買います。そして、店員に言うセリフがなんともかわいい。

「ハートの形って誰が考えたんだろうね」

店員は言います。

「さあ、どっかのロマンチストだろう」

ビリーはとても幸せそうに笑いながら、店を出て、レイラの元へ帰っていきます。

 

純愛!!

 

これですよ、これ。

なにこのあったかい感じ。

ビリーはレイラに出会って、見栄を張ることをやめたのです。

虚栄心は自分を虚しくさせ、そうしている自分がバカらしいと自然に教えてくれた。

レイラはビリーに「あなたはこの世で一番優しい人だと思うわ。そしてハンサム。愛してる」と言うんですよ。

なんだろう、どこに優しさを感じたんだろうっていうくらいに冒頭は気持ち悪いビリーなんですが、レイラの前で見せる弱い姿を見ると、確かに繊細で本当は優しい男なのかもしれないと思わせてくれたレイラたんやっぱり女神。

 

本当に大好きな映画で、割とわたしの脳みそに影響を与えてくれました。

では。

 

 

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