1月4日からブログ再開って言ってたのに、1日遅れました。
すみません。
2018年もどうかよろしくお願いします(・∀・)
そして、2018年最初に紹介したいのは大好きで尊敬している真梨幸子さんの『殺人鬼フジコの衝動』です。真梨さんの作品では『ふたり狂い』が最も好きなんですが、出会いの作品である『殺人鬼フジコの衝動』を先に紹介します。
そして、2018年もネタバレごめんでございます。
あらすじとしては一家惨殺事件のただ一人の生き残りとして、新しい人生を歩み始めた少女だが、彼女の人生はいつかしか狂い始めていた。
というものです。あのーこれね、本当にね。
作者の精神大丈夫かな
って不安になります。それぐらい、勢いと力強さと生きていくことの苦しみ、人への憎しみ、貪欲に幸せを求める様が描かれています。この作品は一気に読まずにはいられません。ちょっと疲れたから休憩、みたいな感覚は吹っ飛ぶ。
建前上は主人公であるフジコ視点から最後の2章までは書かれているというような雰囲気なのですが、実際はからくりがあります。でも、これはちょっと読んで想像して欲しいな。
フジコはとても容姿が悪く、性格もねじ曲がっていて愛嬌もない子です。
特に両親も割と底辺なので、こんな両親のもとで育っている自分なんてたいした人生を歩くことはできない、最悪何か犯罪を犯すかもしれないまで思ってます。そんでもって、かなり陰湿ないじめも受けていました。
そんなある日、フジコの両親と妹は何者かに殺されていました。
その後、フジコは叔母のもとに引き取られ、叔母はことあるごとに殺された母親の話を持ち出し、フジコを言い含めていいます。そのことに鬱陶しさを感じながらも生活的にはかなり楽になっていたので、解放感の方が勝っていました。
そして、決めるのです。
みんなに嫌われないように上手く立ち回ってみせる。そして、母親みたいな女にならずにしっかりと幸せを手に入れてみせる、と。この向上心とともに芽生えた幸せへの嫉妬心のような感情が後々フジコを狂わせていきます。
何かの因果なのか、フジコは順当に人生を謳歌することができません。
幸せが目の前にぶら下がったと思った瞬間、邪魔が入る。それは、最初に恋をした男と無理やり結婚をして、子供を産み落とし、家庭を手に入れたと思った矢先に男の裏切りを知った頃からごろんごろん降っていきます。
夫と子供を殺し、二度目の結婚でも同じことをして、その後もどんどん殺していきます。もうなんかよくわかんないけど、そこまで邪魔にならない相手でも気に触るところします。ごろんごろん殺します。
なぜ、殺すのか。
フジコの理論としては『幸せの行く手を阻むものは何があっても排除する。例え罪を犯したとてわからなければそれでいい。わからないものは何もないものと同じで、何もなければ過去なんて消えて無くなる。だから、私は何をしたわけでもない』
埼玉愛犬家連続殺人事件の関根守か!
ってくらいの理論です。
「死体は透明にすればわからない」という名言を彷彿とさせる理論でわたしは読んでいて開いた口がふさがりませんでした。
そしてフジコは整形を繰り返し、理想の容姿を手に入れようとお金もないのに浪費していきます。
結果的に、カルト教団とか保険金とかなんかそういう黒い話も出てくるんですけど、殺人だと人格形成だのは全て本人であるフジコの資質という部分にあんぐりなんですよね。フジコには誠実さとか罪悪感とか全くないんです。でも、そういう環境だったからしかたないんだろうなとか思わせちゃう真梨さんの筆力の高さに圧倒されます。
フジコはなりたくない人生という業を背負って生きているのに、まるで同じような人生を生きていきます。むしろ、業を背負った人生よりも悪い。
だけど、この話はまだ謎が含まれていました。
続編、というべきなのか、後々この作品が誕生します。
この作品で、謎が紐解かれていくあの快感を忘れられません。
本当にここまで構想するにはどんな精神してたら書けるんだろうっていつも思います笑
それくらい、真梨さんの妄想力と文章力には圧巻させられる。
フジコはそんな問題作なのに、映像化されています。
でも、地上波ではなかった笑
そりゃそうか、とも思うけど、地上波で放送したらかなり反響のある話だろうなと。でも、最近は倫理とかいろんな視点からしてダメなのかもしれませんね。
ただ、その倫理って誰が作り上げたものなのだろうって時々思います。
わたしは、きっとひねくれている。
見てませんが、尾野真千子さんってちょっとフジコのイメージに合っていたので、興味津々です。DVD化とかされていないのだろうか…。
あと、このドラマより以前に新垣里沙ちゃん主演で舞台化もされています。
なんともポップな感じ。
舞台ならではって感じですが、こちらもとても見てみたい。
舞台って一度は体験したいんですよね。
ライチ光クラブの舞台も行ってみたかった。
木村了さん主演バージョンが見たかったんですが、きっともう、やらないのだろうなぁ。
帝一の國も木村了さん主演で舞台になっています。
ドラマの菅田将暉くんもきっとかっこいいのだろうけど、古屋兎丸さんの作品といえば木村了さんなわたし。
では。
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