顔さんより

おはようフレンズ🐸
11月14日 金曜日
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聖ニクラウスは、4世紀頃のキリスト教司教であり、現在のトルコ南西部リュキア地方のミラで活動した実在の人物。
貧者や孤児を助け、信徒を導く慈悲深い指導者。数千もの教会や学校、港、町に冠され、正教会・カトリック・プロテスタントを超えて、世界的な慈愛の象徴である。
没した後、遺体はミラの教会に葬られ、のちに聖遺骨はイタリアへと移され、現在も「聖ニコラウス聖堂」に安置されている。

聖ニクラウスには数多くの伝承がある。
「貧しい三姉妹を救った伝説」は、貧困のため娘達を売らねばならなかった父親を哀れみ、ニクラウスは夜中に金貨の袋を窓から投げ入れた。これにより娘たちは無事に結婚できたとされ、この逸話が「靴下に贈り物を入れる」習慣の起源となった。
また、嵐で沈みかけた船を祈りによって救った「船乗りの奇跡」、悪徳な肉屋に殺された子供達を蘇らせた「三人の少年の奇跡」も知られている。
これらの伝承により、子供・船乗り・商人・貧しい人々の守護聖人とされ、ヨーロッパ各地で崇敬される存在となった。

宗教美術や聖人画(イコン)の中で、聖ニクラウスは特定の象徴を伴って描かれる。
司教であったことを示す司教冠(ミトラ)と司教杖(クロジエ)を持ち、慈悲の象徴として三つの金の玉または金貨の袋を携える。これは三姉妹を救った逸話に由来する。
樽や桶の中の三人の少年は復活の奇跡を示し、船や錨は航海の守護を象徴する。パンや穀物袋は飢饉の際の施しを、聖書は信仰の教えを表す。彼の祝福の姿は、慈愛と救いをもたらす神の代弁者としての姿を示している。
これらの象徴は単なる物語ではなく、三位一体の愛や、失われた命の再生、希望と救いといった神学的意味をも含んでおり、聖ニクラウスの生き方そのものを象徴化している。

中世以降、ヨーロッパでは12月6日の聖ニコラウスの日に、子供達へ贈り物をする習慣が広まった。オランダではシンタクラースとして親しまれ、その名が英語化してサンタクロースとなる。
19世紀以降、サンタクロースはアメリカ文化と商業的表現の中で、赤い衣装と白ひげの老紳士像が確立し、宗教的聖人から慈愛と贈与の象徴へと変化した。それは他者への思いやりと無償の愛という聖ニクラウス本来の精神が息づいている。
聖ニクラウスの祝日は現在でも12月6日に祝われ親しまれている。

良い1日を🙏