3月に発売された菊池洋子さんのベートーヴェン
ピアノ協奏曲第3番と4番。

2023年9月のザ・シンフォニーホールでのライブ録音。
予約するのを忘れてて、遅くなったけどようやく手にした。
菊池さんの演奏は、広島時代に広響のニューイヤーコンサートでモーツァルトの協奏曲を聴いて感銘を受けた。
今回ベートーヴェンもぜひ聴いてみたいと思ってた。
指揮はお馴染み山下一史さん、大阪交響楽団。
第3番の1楽章からオケの前奏もだけど、叩きつけるような感じではなく、柔和なタッチで鍵盤を弾く感じ。
それでいて内に秘めた情熱を感じる。
逆にそれが適度な緊張感と安らぎが交互に聴く者の心に交錯する。
オケとの掛け合いも良い。
聴きどころは今回のライネッケのカデンツァで演奏されてるところ。
フルートの曲でも名曲を残してるライネッケのカデンツァが心に響いた。
すごく良い!
この時点でこの演奏会を会場で聴けた人が羨ましく思った。
ベランダの窓を開けて、5月の晴れた空を見上げながら煙草をふかし、ゆったりとした2楽章を聴いてると日ごろの忙しさを忘れる。
3楽章も劇的な感情を抑えながらもドスの効いたトランペットとの掛け合いや正確なタッチが際立つ。
クラリネットもなかなか聴かせてくれて良い。
これまでいろんな人の演奏で何度も聴いてる曲だけど、菊池さんの演奏も素晴らしい3番協奏曲だった。
第4番は、広島在住時の最後の広響定期で聴いた思い出深い協奏曲。
その時のピアノは河村尚子さんだった。
あの頃はもう聴きに行けないと思ってたけど、こちらでの生活も落ち着いて、
回数はぐんと減ったけど、たまに広島に行って聴けるまでになったことは改めてホッとする。
4番も3楽章はブラームスのカデンツァで演奏されてる。
そのせいか全体的にロマン派の香りを感じる演奏。
菊池洋子さんのベートーヴェンはやはり素晴らしかった。