気象系51。の続き。
J禁、P禁、ご本人様筆頭に各種関係全て当方とは無関係ですのでご理解よろしくお願い致します。

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「は……え?」
「どうかしましたか。」
「いや、え、大野さん?」
「はい。何かありました?」
「あったっていうか……オレにはなかったですけど、え?むしろあなたに何があったんですか?」
「少々おイタをした子羊にお説教をしていました。懺悔いただけないとどうしてもこうなってしまいますよねえ。」
「ええ……すご、……10人も……生きてるの?これ。」
「はい。無用な殺生は禁止ですし。それよりあなたひとりに10人も寄越すなんて、相当気に入られているんですね。」
「嬉しくない。」
「ふふ。」
「え、てか、いや、まって、」
「お水をどうぞ。」
「あ、うん。ありがとう……。」
「落ち着きましたか?」
「……はあ、はい、大丈夫です。あの、怪我してませんか?」
「大丈夫ですよ。私は何もしていませんし。」
「ええ……?」
「皆さん勝手に足を引っかけて転んで、たまたま打ち所が悪くて気絶していらっしゃるだけですし。」
「ええ……???」
「とりあえず彼らにはきちんとお引き取り頂くので、松本さんは部屋へ戻りましょうか。」
「大丈夫なの……?って、名前……オレ……?」
「この方々が口々に教えて下さいました。松本、潤さん?」
「……なんか、すいません……。」
「顔に覚えがあるのはこれで全員ですか?」
「え?ああ、はい。家に来てたのは全部居ます。」
「そうですか。じゃあこれで治療に専念できますね。さ、もう寝てしまいましょう。お風呂入ります?」
「そうします、なんか変な汗かいた……。」
「ふふ、じゃあ準備してきます。出来たら呼びますので。」
「あ、はい。よろしくお願いします。」

「大野さんすみません、さっきシャンプー切れたの言うの忘れてて……!?」
「え?」
「お、大野さん……!?」
「はい?」
「怪我してないって!」
「……ああ、これは古傷ってやつです。すみません、気持ち悪いでしょう。」
「古傷……。」
「シャンプーですよね、申し訳ないのですがそこの棚から詰め替えを、」
「こういうこと、何回もあるんですか?」
「……助けを求めてくるのは善人ばかりではありませんから。」
「それでも助けるんですか?」
「救いは平等に与えられているものです。」
「その救いの為に大野さんが傷つくのは違います。」
「……。」
「背中、流します。」
「大丈夫ですよ。」
「ひとに体を触られるの苦手ですか?」
「くすぐったがりなんです、僕。」
「……。」
「ふふ。お気持ちだけ受け取っておきます。ありがとうございます。」
「……。」
「?どうしました?」
「何かオレに出来る事ってありませんか?」
「え?」
「助けてもらったのに酷い態度を取ってすみませんでした。オレも住み込みで大野さんを手伝わせてもらえませんか?」
「……。」
「ひとりで暮らしてたから家事は出来ますし、掃除でも洗濯でもなんでもやります。」
「……。あなたは神を信じますか?」
「信じません。」
「では、信徒でない方に奉仕していただくわけには、」
「神は信じません。でも大野さんは信じます。あなたの力になりたい。」
「……。」
「オレ、困らせてます?」
「そうですね、困ってます。」
「すみません……。」
「困ってない事に、困ってます。」
「へ?」
「小さな教会とはいえひとりで管理するのは大変だったので、つい頷いてしまいたくなっていて、」
「そのまま頷いてください。神様だって助けてばっかのあんたを助ける奴がいるくらい許してくれるでしょ。」
「ふふ、ありがとうございます。じゃあ、よろしくお願いします。」
「っよろしくお願いします!」

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