おはようございます、京やの勝也です。

 

染めと刺繍との

「格」の比較がなされることがあります。

この比較は

模様を表現する技法としましては

あまり意味がないように思います。

 

染と刺繍で格に差が出るのは

「紋」の場合です。

格が高いとされる「抜き紋」は

お誂えで「染め抜いた紋」とも言えます。

 

これに対して「刺繍紋」は

刺し方にもよりますが

一般的には「抜き紋に準じる」扱いとなります。

 

ただしこれは

あくまで「紋」のはなしです。

 

着物の模様としては

刺繍は技術と時間を要する

高額な技法ということもあり

その豪華さは格別ですし

細かい模様を表す技法としては

最も歴史が古いとも言えます。

 

現在の染めの中心である

友禅染は江戸中期に一般化された

「新しい技法」であって

繊細さに加え、刺繍より安価で

広範囲な模様を描くことが可能となった技法です。

 

つまりこの二つは

歴史も求める表現も違う技法というわけです。

 

古典的な表現としては

「絞り、縫い、箔」という三つが

最も豪華で「憧れの技法」とされましたが

「格が高い」とは少し違います。

 

「格」を比較するなら

技法より模様・意匠に重点を置いたほうが

周囲の方にも理解されやすいでしょう。

 

身分制度がない現在

「格」に気を配ることの意味は

周囲との協調と調和を図ることです。

TPOの共通の認識、

洋装で言う「ドレスコード」のひとつと考えると

よいかもしれませんね。

 

 

 

 

 

小平「染と呉服京や」のホームページ

東京小平の着物専門店
http://kimono-kyouya.com

 

 

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