おはようございます、京やの勝也です。

 

良かれと思った親切心が

思わぬ結果を生むことが多々あります。

 

例えば

「左前(ひだりまえ)」という言葉があります。

着物の前合わせを間違えて逆に

合わせて着ている状態のことですね。

 

正しく着た状態も

自分から見ると左側が前方に重なっているので

「あれぇ…」と紛らわしく思えます。

諸説あるようですが、

向き合って見たときに、左側が前になっている

から「左前」という説が分かりやすそうです。

本人ではなく

他人が見て間違いを指摘する言い回しですからね。

 

さて、

浴衣の季節のお話。

 

電車に女の子が三人浴衣を着て

楽しそうにお喋りをしながら乗っていました。

 

一人だけ「左前」ですが

本人も他の二人も、全く気付いていない様子です。

 

彼女たちは終点まで乗る予定です。

途中駅直前、三人に中年の女性が近付いて言いました。

 

「誰も教えてあげないと可哀そうだから親切で教えてあげるけど

あなた、左前よ!」

「ほら、この二人と違うでしょう!」

 

そう言い残して

その女性は電車を降りていきました。

 

この女性は着物に詳しいという自負があったのでしょう。

 

電車の女の子は急に恥ずかしくなってしまい

泣き出してしまいました。

二人の友人もどうすることもできずオロオロ…。

 

幸い

ことの顛末を見ていた他の女性から

終点の駅に着く前に声を掛けられ、

駅の化粧室で着付け直してもらいました。


「左前」と指摘する時は

すぐに着付けを直すことができるときだけにしたほうが

良いと思います。

 

 

小平「染と呉服京や」のホームページ

東京小平の着物専門店
http://kimono-kyouya.com

 

 

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