裄が短く見えないように | 染と呉服 京やの覚え書き

染と呉服 京やの覚え書き

染と呉服京やの三代目、猪上勝也と嫁のブログです。

おはようございます、京やの勝也です。

 

茶道の稽古中に所作の話から

着物の「裄(ゆき)についての話になりました。


「裄」は肩巾と袖巾を足した寸法のことで

「手の長さ」のことです。


「お茶用には着物の裄を長くするものですか?」

との質問に

「私の着物は短く見えますか?」

と逆にお聞きしました。

「いいえ全然…」

と仰るのfで

「ほら!」と

私は手を伸ばしてお見せしました。

手首のグリグリまで10センチ近く足りない

いわゆる「ツンツルテン」という状態です。


「うっそー!」「なんでー!」

と驚かれましたので

種明かしを致しました。


実は私は

ほとんどヒジを伸ばすことがありません。

特に茶道の所作では

瞬間的に伸ばすこともありますが

基本的には脇を締めてヒジを下に向けて

曲げた状態でいつもいます。


お道具と離れていて届かないときには

身体ごと向かうようにしています。

そうすると見た目も崩れません。


着物の袖は

ヒジを隠してくれます。

またヒジを曲げた方が余裕が出て安定します。


風呂敷包みなどを胸元に抱える仕草も

ヒジを曲げますが

見た目にも美しく、物を大切にしている心が

伝わってきます。


裄がご自分の寸法よりも短くても

肘の使い方でかなりカバーできます。


所作はとても大切なのです。

 

 

 

◆「感染症予防と営業について」掲載◆

小平「染と呉服京や」のホームページ

東京小平の着物専門店
http://kimono-kyouya.com

 

 

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