スーホは友達に助けられてやっと家まで帰りました。スーホの体は傷や痣だらけでした。おばあさんがつきっきりで手当てをしてくれました


おかげで何日か経つと傷もやっと治ってきました。それでも白馬を取られた悲しみはどうしても消えません白馬はどうしているだろうとスーホは、そればかり考えていました。白馬はどうなったのでしょう。


素晴らしい馬を手に入れた殿様は全く良い気持ちでした。もう白馬をみんなに見せびらかしたくてたまりません。
そこで、ある日のこと、とのさまはお客をたくさん呼んで酒盛りをしました。その最中に殿様は白馬に乗ってみんなに見せてやることにしました。
家来たちが白馬を引いてきました。との様は白馬にまたがりました。その時です。
白馬は恐ろしい勢いで跳ね上がりました。殿様は地面に転げ落ちました。白馬は殿様の手からたづなをふりはなすと騒ぎ立てるみんなの間を抜けて風のようにかけだしました。
殿様は起き上がろうともがきながら大声で怒鳴り散らしました。
早くあいつを捕まえろ!


捕まらないなら弓で射殺してしまえ!
家来たちは一斉に追いかけました。けれども白馬にはとても追いつけません。家来たちは弓を引き絞り一斉に矢を放ちました。家はうなりを立てて飛びました。白馬のせには次々に矢が刺さりました。それでも白馬は走り続けました。