ある年の春、草原いったいに、知らせが伝わってきました。この辺りをおめている殿様が街で競馬の大会を開くというのです。そして一頭になったものは殿様の娘と結婚させるというのでした。この知らせを聞くと仲間の羊飼いたちはスーホすすめました。ぜひ白馬にのって、競馬にでてごらん。


そこでスーホは白馬にまたがり広々とした草原を超えて競馬の開かれる街へ向かいました。競馬が始まりました。たくましい若者たちはいっせいにかわのムチを降りました馬は飛ぶようにかけます。でも先頭を走っていくのは白馬ですスーホの乗った白馬です


白い馬が一等だぞ!白馬の乗り手を連れて参れ!
殿様さけびました。
ところが連れてこられた少年を見ると貧しい身なりの羊飼いではありませんか。そこで殿様は娘の婿にするという約束などは知らんふりをしていました。


お前には銀貨を3枚くれてやるその白い馬をここに置いてさっさと帰れ!
スーホはかっとなって夢中で言い返しました。
私は競馬に来たのです馬を売りに来たのでありません。
なんだとただの羊飼いがこのわしに逆らうのか!ものども、こいつを打ちのめせ!
殿様が怒鳴り立てると家来たちがいっせいにスーホにとびかかりました。スーホら大勢に殴られ蹴飛ばされて気を失ってしまいました。
殿様は白馬を取り上げると家来達と引き連れて大威張りで帰っていきました。