スーホの白い馬おおつかゆうぞう作。
中国の北のほうモンゴルには広い草原が広がっていますそこに住む人たちは昔から羊や牛や馬などをかって暮らしていました
このモンゴルに馬頭琴という楽器があります楽器の一番上が馬の頭の形をしているので馬頭琴というのです
一体どうしてこういう楽器ができたのでしょう。それにはこんな話があるのです。
昔モンゴルの草原にスーホという貧しい羊飼いの少年がいました。スーホは、年取ったおばあさんと二人きりで暮らしていました。スーホは、大人に負けないくらいよく働きました。毎朝早く起きると、スーホはおばあさんを助けてご飯の支度をします。それから二十頭あまりの羊を追って広い広い草原に出て行きました。
スーホはとても歌が上手く、他の羊飼いたちに頼まれてよく歌を歌いましたスーホの美しい歌声は草原をこえ、遠くまで響いていくのでした
ある日のことでした日はもう遠い山の向こうに沈み、あたりはぐんぐん暗くなってくるのにスーホが帰ってきません。おばさんは心配になってきました。近くに住む羊飼いたちもどうしたのだろうと騒ぎ始めました。皆が心配でたまらなくなった頃スーホが何か白いものを抱きかかえて帰ってきましたみんなが側に駆け寄ってみるとそれは生まれたばかりの小さな白い馬でした。スーホはニコニコしながら皆に訳を話しました。
帰る途中で子馬を見つけたんだこれが地面に倒れてもがいていたんだよ。あたりを見ても持ち主らしい人もいないしさお母さん馬も見えない。放っておいたら
夜になって狼食われてしまうかもしれない。それで連れてきたんだよ