今日、渋谷から帰宅の為、井の頭線に知り合いの年配の女性と乗車した。
車内は、帰宅の人たちでごったがえしていた。
当然、優先席のシートは空きはなく、しかたなくその前に佇んだ。
いつもの事ではあるけれど、そのシートに座っている若者は寝たふり…!
日本の大和魂はどこへ行ったのだろう!と、こころがイライラする。
無性に腹が立ったので、持っていた傘の先を床にドンドンと音を立てた。
すると、寝たふりの青年は、ハッと目を開き、こちらを向き、俺を見て、次に俺の同伴の年配の女性の姿を確認してから「どうぞ!」と立ち上がった。
『そうで、なくっちゃ…ね』!
どんな形でも、嬉しかった。
俺の同伴の女性は、嬉しそうに、しかし、すまなそうに『すみません』と着席した。
俺と年配の女性は目と目で『日本もまだまだ捨てたもんじゃないね』とささやいたような目線で会話した。
その時、年配者の隣に座っていた若い女性が俺を見た。
俺と目があった。
俺は息をのんだ。
すると、その女性が立ち上がった。
そして、また俺を見た。
…「…どうぞ」と俺に言った。
「・・・・・!」
俺は「…ぅ大丈夫…だよ…」
しかし、その若い女性はおれを見て。笑顔で「どうぞ!」と。

静かな南国の海の波がこころの中で繰り返していた。
だから、俺「すみません!」と言って、空けてくれた椅子に腰掛けた。
ありがとう。
日本の大和魂、優しい心はまだまだ健在でした。
でも、俺は複雑!
俺って、やっぱり優先席が似合う年頃に見えるのかな!?