さて、今回のお酒は『たかちよ』です。
 三本ほど感想を述べます。




 まずはこちらのグリーンラベル



 しぼりたて生原酒です。『たかちよ』29BY始動の一本。
 もう二週間ほど前になりますが……まぁ兼合いということでひとつ。
 上立ち香はくっきりと柑橘系。
含んでみると、炭酸によるシュワシュワ感と共に浅く広くながらも甘味が行き渡る感じ。2日目以降でもフレッシュな酸味が生きている感じで、柑橘的な酸味の表現という意味ではテーマが感じられるので◎
 この味わい、例えるならグレープフルーツが分かりやすいかもしれないけど、"緑"のもので例えるなら早生みかんかな?緑色のまだ酸っぱさが生きているやつ。さすがにスウィーティーは甘過ぎるかな。
 友人が来たときにも振る舞いましたが、新潟の日本酒と話したら驚かれましたね。これでもまだスッキリしている方だとはいえ。






 次に、今の時期に出ているこちらのブラックラベル。
 こちらは精米歩合が設定されてますね。 48%と純大吟相当。扁平精米の枠での精米歩合なのかな?

 上立ち香がかなり強いですね。南国的なフルーティーさ。カプエチ系というか。
 含んでみると、じんわり歯茎の上あたりに響いてくるかのようなパイナップル様の甘味。それが脳に向かい染み渡るかのように登ってくるというか。
 『花陽浴』の美山錦とか好きなら絶対に琴線に触れる味わいですね。酸味のベクトルこそ違いますけど、脳髄に染み渡るあのコケティッシュな甘味の曲線は『花陽浴』のそれに通じるのかも。新潟酒らしく不思議と辛味があとでやって来て、ダレる前に切り取って処理してくれます。 
 完成度は高いですね。もっとも、このパイナップルな味わいがお好きな方にとってはでしょうが、甘味中心の割にバランスのとり方がいいと僕は思います。

あとおまけ。



 個人的にこちらの『高千代』が一番好みだったですけどね。
 
 ここまでやると、何とも様々な要素を甘味中心で表現している『たかちよ』も何とも多芸多才だなぁって。
 
「秋の花 種にあれど 色ごとに 見し明らむる 今日の貴さ」(万葉集/大伴家持)
 
 こういうことですかね。ええ。
 

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