<高知県は障害者を悪者にした>
最近、高知県の「暴挙」が自然保護団体によって明るみになった。「天空の道が貫く高原」として、関西でも知られるようになった避暑地、四国カルスト。この東側の天狗荘寄りに以前も何度か取り上げた「天狗高原」がある。県はバリアフリー化等のために、天狗高原の従来の自然歩道を廃し、幅2メートルのアスファルト舗装を敷設した(昨年9月完成)のだ。
そこは西日本有数のハンカイソウ群落のある地で、去年、記事を投稿した。その時はまだアスファルト舗装はされてなかったが、草地の遊歩道は潰され、幅広のダート道になっていた。道幅を広げるため、石灰岩を破壊し、希少植物生息地を潰している。
県は「バリアフリー化等のために」と弁明しているが、車椅子利用者の中で、自然歩道を潰してアスファルト舗装にしてくれ、という要望を出した者が一人でもいるのか。県は自らの行為を正当化するため、障害者を悪者にしているのではないのか。
県は「高齢者のためにもなる」とも言っているようだが、これも嘘としか考えられない。なぜなら、以前何度も力説したように、アスファルト道は歩く際、足に負担がかかる。膝等が悪い高齢者なら尚更である。自然歩道なら土がクッションとなり、衝撃が軽減される。
「サイクリストのためでもある」ということだが、自然豊かな天狗高原に来るサイクリストの中で、自然破壊を歓迎する者が一人でもいるのか。
県は自然を活かした観光振興について、全く基本理念を理解していない。昭和の発想としか思えない。高知県のイメージがガタ落ちである。
何でもかんでもバリアフリー化していい、という訳ではない。それぞれの特質を考えなければならない。
しまなみ海道を訪れるサイクリストを、高知県に呼び込むために何でもしていい、という訳でもない。普通のサイクリストは、高山植物等の自然を間近で楽しむため、自分の足で歩きたい、と思っているはず。
そのためにも去年、廃道同然(下の写真の真ん中部分)になっていた、当該遊歩道の途中から車道に下るショートカット道を再整備すべき。これを整備すれば、登山愛好家ではない、一般観光客やサイクリスト(徒歩で)でも回遊コースを楽しめる。
知事は1年ほどかけて、地元自治体や関係機関等と対応を協議していく旨、語っていたが、即刻、遊歩道は原状復帰させるべきである。
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