平井加尾邸跡庭園を探訪 | 次世代に遺したい自然や史跡

次世代に遺したい自然や史跡

毎年WEB初公開となる無名伝承地や史跡、マイナーな景勝・奇勝を発表。戦争遺跡や鉄道関連、坂本龍馬等の偉人のマイナー伝承地も。学芸員資格を持つ元高知新聞主管講座講師が解説。

<龍馬の初恋の人の屋敷で食事を>

以前、坂本龍馬の初恋人・平井加尾が元土佐勤王小径入口から見た庭園 党員・西山直次郎志澄と結婚し、明治の一時期、居住していた住居跡とその庭園の歴史について述べた(坂本龍馬の初恋人の屋敷跡が料亭に )が、庭園見学は原則的に跡地に建つ料亭「加尾の庭」利用者でないとできなかった。過去、龍馬記念館が見学会を催したのは、館長が地権者と知り合いだったからである。私は地権者の知人の一人とは親交があるが、地権者と直接交流がある訳ではないので、これまで庭園を見学する機会はなかった。緑に映える花


 

が、今年に入り、加尾の庭の東方に龍馬らが愛でた吉野の桜が残っていたことを知り、和霊神社~乙女と武市瑞山の妻・富子ゆかりの白土峠~乙女や石鎚教信者である田中良助らが登ったであろう烏帽子山(石鎚山遥拝所の一つ)~乙女が拳銃を撃っていた鷲尾山~吉野の桜~加尾の庭、という回遊史跡ハイキング・コースを設定できるのでは、と思い、加尾邸跡庭園を見学しておく必要があるだろう六角堂への小径 と思ったのである。そしていつもの交渉術で、特別に庭園見学を許された。


 

加尾の庭がある神田(こうだ)の街は狭い道路が入り組み、初めて来る者には道が分かり辛いと思うが、「加尾の庭」のパンフレットででは、吉野川橋西のローソン高知神田店のある交差点を南に折れ、角に「リスボン」(当方の持つ住宅地図には未記載)がある三叉路を西に折れ、左手に三つ目の左折道に入り、専用駐車場まで来るよう、図示している。

もしリスボンを見落とし、「吉野」バス停の三叉路まで行ってしまった際は、一つ手前の三叉路まで戻り、西に折れれば良い。


 

加尾の庭入口前を東西に走る道が、当方が設定したコースの一部である。

門をくぐると池泉庭園が目の前に広がる。すぐ左手には園を一望できる小丘へ上る小径がある。現在、散策道はこの道だけだが、庭の造りから見て、かつて六角堂 は「回遊式庭園」だったはずで、反対側にも道があったものと思われる。

 

その道の入口を始め、園内各所に置かれている石燈籠の殆どは加尾時代からのもの。加尾が手を触れたかも知れない。

料亭の玄関前にあるさざれ石の庭石その他、池の石橋等も明治時代からのものである。


 

園内には梅や桜、モクレン、サツキ、ツツジ、紫陽花等約200種の花木があり、食事する客の目を楽しませてくれる。

小丘の頂上に建つ建物は六角堂。これは建て直されたものだが、明治期も同じ呼称の小堂があり、訪れた板垣退助や植木枝盛等の自由民権運動派の面々や、世界的植物学者・牧野富太郎博士もここからの景色を愛でたという。


 

現在、堂内の床には水晶その他のパワーストーンが敷き詰められ、立入禁止措置が取られているが、「加尾の庭」ではここをパワースポットにしている。池の俯瞰

料亭内にも1.6トンに及ぶ巨大なアースキーパー・クリスタルを始めとした様々なパワーストーンを展示している。ただ、見学時間(10~11時と15~17時に限られる・月曜定休)時は、料亭内は食膳の用意等で忙しいため、内部見学は遠慮しなければならない。


 

その食事のメニューは昼(11:30~15:00)・夜(17:30~21:00)共、決まっており、料理研究家で中医薬膳師でもある村岡奈弥氏によるプロデュースで、旬の土佐の食材を使用した薬膳料理。確か、記憶ではステーキの時もあり、一般の方が抱いている薬膳料理の概念を覆すメニューでは沢の水を引き込んだ滝 ないかと思う。

昼は3,600円で夜は6,800円の完全予約制。問合せは088-855-3221info@kaononiwa.jp


尚、前述の回遊コースについては、ヤマケイサイトにも投稿したので、参考に。→高知市の南の屋根・南嶺全山縦走&半回遊


特別な日は加尾の庭で食事しよう、と思った方や回遊コース図ができるのが楽しみ、という方は下のバナーを。

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