ショートストーリー「火星探査機ペットボトルのペッチ」 | 手ぶloveの「諸行無常のソナタ」

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アル中地獄からの解脱と共に解き放たれた世界。
色即是空のことばたちが
縦横無尽に駆け巡る。哀愁の人間讃歌。手ぶらワールドへ
ようこそ!




「火星探査機ペットボトルのペッチ」
作.手ぶlove






やぁ、
ボクの名前はペッチ。





ボクはポイ捨てされた
ペットボトルだったんだ。


けれど、ある日誰かに拾われて
火星探査機に生まれ変わった。



ボクを拾ったのは
NASA火星探査プロジェクトチームのリーダー
ホプキンス博士だった。


今では
ペットボトルのボクが火星探査機になったのか


火星探査機のボクがペットボトルだったのか


分からない。


自分が何なのか分からないまま
ここにこうして生きている。



ただ、火星には行きたくなかったんだ。


ひとりぼっちであんな所に。


だからボクは逃げ出した。






誰かに見つかればすぐさま、ヒューストン基地に
引き渡される。


そうやって逃げて来たんだ。
何十年もね。


結局ボクはひとりぼっちだった。





もう寿命が尽きる。


だから貰って欲しいんだ。










ボクのキャップを…







友達の証しに…





























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楽曲「Treasure」The cure