２０１０年１１月１７日（木）
つづきです。
「あのう、腫瘍の先生に
お聞きしたいことが あるのですが
」
看護師さん、感じの良い笑顔で
「どのようなことでしょうか」
「稀なガンで、情報も少ないので、
そのあたりのことと、
子宮体癌治療ガイドラインには中リスクの場合、
手術と術後の抗がん剤治療が
セットのようにかかれているので、
それについてもお聞きしたいです。」
看護師さん、それを伝えに（裏が繫がってます）行き、
戻ってくると、
「では外でお待ちください。」と。
中待合に出ると、窓の外はもう真っ暗。
人影も少なくなって、
みんなパタパタしています。
すぐに隣の診察室に呼ばれました。
ショートヘアの元気そうな女医さんが
PCの前に座っていました。
（あ、アンパンマン
）
ルールどおり、フルネームを告げ、
挨拶をして着席すると、
「私ね、内診のとき、一緒にいたのよ。
」って。
「先生でしたか、
カーテンのこちら側から、お声、聞いていました。」
そのルックスと気さくな話し方が
ワタシ的に好感度◎です。
「明細胞癌はかなり稀で
情報も少ないとは思いますし、
ワタシの場合、
細胞が典型的ではないとも聞いています。
そのあたりはどうなんでしょうか」
PCでワタシのカルテを見ながら
「う～ん、すぐに大きくなったり、
あちこち飛んだりするタイプではないみたいね。」
「いろいろな組織が混ざっていたということですが」
「うん、ポリープを採ったんで、
その茎の元のところではないからね。」
「セカンドオピニオンでは、中リスクと言われました。
治療ガイドラインでは、中リスクの場合、
手術と抗がん剤治療が
セットのように書かれていますが…」
「抗がん剤ね～。
抗がん剤どうなんだろう…。」
先生は積極的に抗がん剤を勧める
タイプではないみたい。
あるいは抗がん剤が効きにくいという
ことなのか…。
「大網や腹水にガン細胞があったら、
必要かもしれないけど、
それは、術後の病理検査の後で考えましょう。
リンパ節郭清後の後遺症について、
かなり心配していたみたいだけど
」
「そうなんです、
ワタシ、下肢静脈瘤で左の伏在大静脈を
膝から鼠経の下まで抜いているんです。
なので、すでに左はむくみがちで、
骨盤リンパ節取ったら、
リンパ浮腫のリスク高いなあ、と思うんです。
」
「そうか、それがあるんだね。」
って、もうお腹を縦に開いたところの、
腹大動脈と骨盤リンパ節のイラスト描いてる。
子宮膀胱じん帯も、尿道をよけて切って
排尿障害が起きないくらい残すことや、
リンパ節を取ってしまったあと、
リンパがどう別ルートに流れるようになるかを
説明してくれました。
「鼠経の上のリンパ節を取ると
リンパ浮腫が起きやすいと聞いています。」
「よく知ってるね。
開けてみないとわからないけど、
そこのところはできるだけうまくやるから。
ここに静脈があってね、
おしりの方にながれているから、
掘りすぎないようにしないとね。」
傍大動脈リンパ節郭清についても聞きました。
傍大動脈は卵巣と直接、動脈が繫がっていて
第一所属リンパ節であること。
子宮体癌では傍大動脈リンパ節は
第２所属リンパ節になること。
診療時間ギリギリまで説明してくださり、
「できるだけ低侵襲にするから」
と言ってくださいました。
退室するときには、
すでにN先生のファンになっていました。
健康的な感じがカワイイんです。
なんと言っても、患者のことをちゃんと
考えてくださっているのが伝わってきましたですよ。
入院手続きをしに事務に行ったら、
閉めようとしていたところでした。
自動精算機もすべて閉め終わっていて、
お会計は窓口でしました。
総合病院の外来って、
合羽橋商店街や鎌倉のように
閉まるのが早いのね～。
リンパ浮腫の治療
～リンパ浮腫にならないために
リンパ浮腫になってしまったら～
宇津木久仁子（うつぎくにこ）
がん研有明病院 婦人科
http://www.cancernet.jp/jcf/program/lymphedema/
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