ごぶさたしております。

一応元気ですが、忙しくなり筆は遠ざかる一方です。

 

が、さすがに書かねばならぬことが乱発している第18回~第20回です。

 

道長 内覧に就任

 

まずは第18回。

関白道隆がこの世を去り、後を継いだ道兼もたった七日で世を去りました。

しかし、人殺し道兼が死が迫った頃になって善良な人柄に移っていったのは意外でした。

『大鏡』でも「非常識なこと極まりない」「世間でも良い噂はひとつもない」などとこき下ろされている道兼。

台本でまひろ(紫式部)の母を刺殺した極悪人に仕立ててしまったので、最後くらい少し持ち上げることで供養としたのかもしれません。

 

さて、道長 v.s. 伊周。

とはいえ、道長はあまり権力欲はなく、伊周は権力に執着しているという構図です。

実際の道長は権力欲があったと思うんですけどね。

 

女院詮子が一条天皇の夜の御殿に押しかけて説得するというシーンがありました。

これは『大鏡』をもとにした一節で、映像化されて嬉しかった胸熱シーンのひとつです。

 

女院様は道長を特別に目をお掛け申し上げなさって、非常に愛しく思い申し上げなさっていたので、伊周は女院様を鬱陶しく思っていらっしゃった。

帝が、中宮様を熱心に寵愛なさる、その縁で伊周はいつも帝の御前にお仕え申し上げなさって、道長のことは当然として、何かにつけて女院様のことまでも悪く申し上げなさっていたのを、女院様の方でも自然とお気づきになったのだろうか、とても不本意なことだと思いなさったのは、言うまでもないことだ。

伊周の策略が功を奏し、道長が世を治めなさることを、帝はたいそう渋りなさった。

中宮様は、関白だった父道隆がこの世を去りなさっており、その上世の中が一変なさることを、帝はとても心苦しくお思いになって、道兼にもすぐには関白の宣旨をお下しにならなかった。

しかし、女院様は次は道長が天下を治めるべきだと道理のままのことをお思いになり、また伊周のことを悪く思い申し上げなさっていたので、帝自身は道長のことをたいそう渋りなさっていたけれど、

 

「どうしてそのようにお思いになり、おっしゃるのですか。伊周に大臣の職を先んじられたことでさえ、とても道長が気の毒でしたが、それは伊周の亡き父・道隆が強引に致しましたことゆえ、帝もお断りになることができなかったのでございます。道兼には関白をさせなさって、道長には関白の宣旨が下りないとしましたら、道長がかわいそうだというよりも、帝ご自身のためにとても不都合なことを世の人が言うことにもなるでしょう」

 

など、とても熱心に申し上げなさったので、帝は煩わしくお思いになったのだろうか、その後は女院様のもとにはお出でにならなかった。

それ故、女院様は上の御局にお上りになって、「こちらへお越しください」とは申し上げなさらず、自分の方から帝の御寝所にお入りになって、泣きながら道長に関白の宣旨を下すよう申し上げなさる。

その日は、道長も上の御局に控えてお待ちしていた。

とても長いこと女院様が出ていらっしゃらないので、御胸がどきどきしていらっしゃった時に、しばらくあって、戸を押し開けてお出でになった女院様の御顔は赤らんで涙に濡れ、光っていらっしゃりながらも、御口元は心地よく微笑みなさって、「ああ、あなたに関白の宣旨が下ったわ」と申し上げなさった。
 

関白の宣下があったとされているとおり、ドラマでも詮子は「道長を関白に!」と必死に懇願していました。

しかし、道長は内覧になります。

道長が内覧を望んだことについてはドラマで道長本人が語っていました。

 

 

ここでの吉田羊の演技はさすがでしたね。

このシーンのために詮子役は吉田羊にしたのだと思っています。

 

 

 

長徳の変

 

伊周と隆家による、花山院襲撃事件です。

ドラマでは今のところポンコツ兄弟として描かれていて可哀想。笑

これは第19回のラストに描かれました。

 

 

『栄華物語』によると、相手が花山院だと分かった上で襲撃したと書かれていますが、ドラマでは知らずに矢を放っていましたね。

しかも斉信の屋敷の前で。

『栄華物語』では、帰り道を狙ったという風に書かれています。

これについてはかつて記事にしているので、よろしければ下記リンクをどうぞ御覧遊ばせ。

 

竜星涼の隆家はちょっとイメージと違うんですよね。

隆家ってもっと武闘派な印象なので。

これから刀伊の入寇で活躍するんで、その時にどうなるのか見守りたいと思います。

 

安倍晴明も、道長の問いかけに対し「隆家は道長の政治を支える存在となる」と言っていました。

 

 

 

中宮定子 御髪下ろす

 

第20回のラストで描かれたショッキングな事件です ポーン

 

 

上の長徳の変が引き金となっています。

ドラマではその一部始終を、庭に忍び込んだ清少納言とまひろ(紫式部)が見ていました。

変装した二人のシーンはコミカルでしたが、内容は衝撃的。

中宮定子が御髪を下ろすシーン、これは『源氏物語』で藤壺が突然御髪を下ろすシーンのモデルとなっているのだろう、と思っているので、このシーンをまひろ(紫式部)が直接見ていたというのは、まさにその流れかとワクワクしました。

 

そうそう、清少納言が道長方と内通している、というシーンも描かれました。

一時的に宮仕えを辞する清少納言なのです。

ドラマでは中宮様に里下がりするよう勧められていましたね。

 

そして、次週いよいよ『枕草子』を執筆するシーンが出るようで、「春はあけぼの」が出てきましたね。

5月はかなりの名場面が誕生するドラマティックな回が連続しています。

 

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