何だかんだ3週連続で大河ドラマの記事を書いています。笑
第3話でまた『シェヘラザード』的BGMが使われました。
18秒から始まる木管の和音なんて、そのままですよね。
シェヘラザードとは『千夜一夜物語』に登場する物語の語り部の女性の名です。
ササン朝のシャーリアル王は妻の不貞を知り、女性不信に陥る。
以来、女を呼び寄せて一晩ともに過ごした翌朝、その女の首をはねる、という蛮行を繰り返すようになる。
そんな中、大臣の娘・シェヘラザードが自ら進んで王の相手に名乗り出る。
シェヘラザードは非常に巧みな話術で王に面白い話を聞かせ、ちょうど良いところで「続きはあ・し・た」と切り上げてしまう。
話の続きが聞きたい王はシェヘラザードを生かし続けることが千夜にも及び、とうとう王は蛮行を改めた。
『シェヘラザード』的な曲が使われたシーン
①第1話:安倍晴明が星を見て予言→まひろが雨漏りで起きるシーン
②第1話:兼家が為時と話すシーン
③第3話:兼家が道兼と話すシーン
後に『源氏物語』を書き、天皇や貴族たちを夢中にさせる紫式部をシェヘラザードに見立てているのだと思います。
一方、兼家の一族(特に兼家、道兼)はその横暴さゆえシャーリアル王に見立てているのだろう、と解釈しています。
今のところ、まひろは道長に思いを寄せていますし、道長もまんざらではない様子。
紫式部は道長の妾という説もあります。
道長が憎き道兼の弟だと分かった時、紫式部はどうなってしまうのでしょうか?
さて、第3話は詮子と懐仁親王が東三条殿に下がっている所から始まっていました。
帝(円融天皇)は退位する直前ですが、実際に退位するのは来週になる模様。
それはさておき、平安文学スターが多数新登場しましたね!
まずは倫子が登場したので、この略系図を。
まずは、源倫子。
左大臣・源雅信の姫で、後に道長の正妻となり“鷹司殿”と呼ばれることになります。
この倫子のもとに、藤原斉信が恋文を送っている、と告白していましたが、残念。
倫子を演じるのは黒木華でしたが、この配役は絶妙。
のんびり、おっとりした感じの家風で「なるほどこれが源氏か。藤原氏とは違うなあ」という印象を受けました。
そうそう、前回の記事で雅信の読みを「まさざね」としましたが、このドラマでは「まさのぶ」を採用していました。
両説あり、どちらの読み方かはっきりと分かっていないのです。
赤染衛門が出てきたのも胸熱案件。
赤染衛門は最初倫子に仕えていますが、後に倫子の娘・彰子にも仕えることになります。
まひろ(紫式部)が土御門殿での集まりに参加するシーン、良かったですね。
「偏つぎ」という遊びがまひろの土御門殿でのデビューでした。
※京都の風俗博物館にて撮影
全問まひろが札を取ったようで、姫たちはドン引きしていました。笑
ひとりだけ競技カルタのノリだったのがちょっと面白かった。
そして、高階貴子と定子が再登場。
成長した定子が庭を走り回って道長に遊び相手をしてもらっていました。
1話では生まれたてだった定子ですが、大きくなりました。
そして、定子が毬を投げて遊んでいた男の子は弟の藤原隆家だと思います。
隆家も初登場でした。
伊周はどこに行った?
そして、藤原公任・藤原斉信・藤原行成の3人も初登場。
斉信ただのぶは一般的な知名度は劣る気がしますが、『枕草子』の中ではかなり登場頻度が高い印象です。
清少納言はこの斉信にかなり心惹かれていたようです。
例えば、三巻本『枕草子』の八十段前後には以下のようなエピソードがあります。
ある夜、定子様の御前で女房達が物語のあれこれを盛んに議論していました。
『宇津保物語』に出てくる涼すずしと仲忠なかただについて、どちらが優れているか、などという話では定子様も熱心に議論に加わっていらっしゃいました。
その途中、定子様が、
「そんなことより、今日の昼に斉信がここに来た姿をお前が見ていたら、どんなに褒めそやしてうるさかっただろう、と思ったわ」
とおっしゃいました。
実は、私も斉信様にお目にかかっていたのですが、昼間はこちらに伺候していなかったので、定子様は私が斉信様と会っていないと思い込んでいらっしゃったのです。
中宮様のおっしゃるとおり、それは輝くばかりに見事なお姿だったことを思い出し、私はその素晴らしさをつい夢中になって語ってしまいました。
「みんな斉信を素敵だと思って見ていたけれど、お前みたいに装束の縫い糸やら縫い目まで細かく観察した者はいないわ」
と定子様はお笑いになった。
そんな斉信を演じるのがはんにゃ金田というのは予想外でした。笑
斉信や行成を含めた登場人物を簡略化した系図がこちら↓です。
藤原公任(左近衛権中将&尾張権守)・藤原道長(兵衛佐)・藤原斉信(侍従?)の3人が宮中で宿直をしながら女性について語っているシーンがありましたね。
警備のための夜勤ですが、「今夜は安心」のようなことを言っていたので、雨が降っていたのでしょうか。
というのも、これは“雨夜の品定め”という『源氏物語』の中でも名高いシーンの1つを再現したものだからです。
家にある『源氏物語』の資料に当然そのシーンの絵があるかと思ったらなかった。笑
まあ、検索すればたくさん画像が転がっているので、興味のある方は検索してみてください。
また、関白家で学問に励む4人の貴公子の中には藤原行成がいました。
行成は984年の時点で、従五位の下であったもののまだ官職に就いていませんでした。
この状態を「無官の大夫」と言います。
なので、“雨夜の品定め”には参加していなかったのですね。
公任は、この学問の会で無双していました。
公任の学才は名高く、「三舟の才」の逸話などが非常に有名です。
「三舟の才」については以前に書きましたので、よろしければどうぞ。
このエピソードは986年ごろという話なので、大河ドラマで出てくるかどうか、楽しみの1つです。
では今回はこの辺で。
来週も書くのか・・・?